答練が学習の良いペースメーカーになった|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

答練が学習の良いペースメーカーになった

合格体験記

八田 章宏 さん


 合格体験記

●合格までの記録
  はじめに、これまでの本試験の受験結果(直近の3 年分)です。
平成30年 択一35.0  土地22.5  建物7.0  計 64.5  合格点71.0
令和元 年 択一32.5  土地20.0  建物15.5  計 68.0  合格点76.5 
令和2 年 択一35.0  土地20.5  建物11.0  計 66.5  合格点71.0


●先ずは自己分析から
  上記より、「択一式」13問〜14問と足切り点にスレスレです。また、「書式建物」が弱点であることが一目瞭然です。今回はその二点に重点を置いて対策しました。


●学習開始
  前年の本試験終了後、翌年3月まではブランクがあり、「合格ノート」を一読するところから始めました。見事に学習習慣がなくなっており、なかなか継続できませんでした。( 3 月の学習時間は18時間)
  4月に入り、「合格データベース」で択一式の学習を始めます。今回は対策として「弱点攻略」を優先しました。書籍は「総論」→「土地」→「建物」→「民法・土地家屋調査士法」と構成されていますが、順番通りに進めるのではなく「建物」→「民法・土地家屋調査士法」→「総論」→「土地」の順で自分に負荷をかけて学習しました。また、その際に「ミスした問題」、「迷い、悩んだ問題」には付箋をつけておき、その問題のみ繰り返しチャレンジするようにしました。( 4 月の学習時間は32時間)
  5月、「合格データベース」を3周したところで、自分は「何ができて」、「何ができない」のか付箋でハッキリ確認できていました。何故ならば、この試験で時間内にすべて解答するには「100の曖昧な知識より20の確実な知識」が必要であると過去の経験から実感していたからです。「合格データベース」は付箋だらけで、このままでは「合格できない」と感じ「総合模擬答練2021(通信:ダンロードタイプ)」を申し込みました。この時まだ書式の学習を始めていませんでしたが、答練が良いペースメーカーとなって「過去問10年分」にも着手しました。( 5 月の学習時間は53時間)
  6 月、答練の成績は「C判定」。しかし焦ってはいませんでした、択一式はまだ「訓練不足」、書式は「問題文の読み方が悪い」、「課題は山積み」であると自己分析していました。択一式は繰り返し訓練、書式の問題文は3色の蛍光マーカーと青ボールペンを使用して読み返すことが極力少なくなるよう丁寧に、そして客観的に読み込みました。ついつい思い込みで勘違いすることが見受けられたからです。
  また、答練は自宅で試験ですが「本番」であると想定して日曜日の13時(本試験同様)から真剣に取り組みました。どの問題で「焦った」「悩んだ」「迷った」のか記録しました。本番ならば問題が解けなかった時点で「不合格=また来年」ってなるからです。自宅の机も試験会場を想定して巾35センチでビニールテープを貼って狭い場所でどのように図面を作成するのか検討しました。
  この頃から「土地家屋調査士六法」、「申請マニュアル」を頻繁に使用しており、弱点や重要な箇所が浮き彫りになってきました。あわせて生活リズムもだんだん朝方で定まってきました。( 6 月の学習時間は56時間) 
  7月、平日は過去問中心。出社前に書式、帰宅後に択一式。休日の土曜日は過去問、日曜日13時からは答練(毎週本試験と思い挑む)。
  しかしながら、答練の成績はC判定が続いていました。当時の記録を見ると、成績が伸びないことに「イライラ」、「焦り」がありますが、本番は10月、それまで「やり抜く」しかないと決心していました。また、平日昼食後の昼寝を択一式解答に変更。最初は辛かったですが、試験日までのガマンと思いひたすら解きました。どのような状況でも出勤前の書式は続けていました。そして答練も終了、試験まで残すところあと80日。( 7 月の学習時間は66時間)
  8月から民法、土地家屋調査士法の問題を集中して解き始めました。民法は苦手で、土地家屋調査士法は絶対に落としたくないというプレッシャー。そこでルーズリーフに苦手なテーマや暗記事項をまとめて整理していました。(これが試験直前期に役立つことになります)
  また、15日時点で過去問5周、合格データベース4周が終わっており、これまでの解答用紙を自己分析した上で今後の予定を検討しました。その結果、やはり「択一式重視」でいくことに決定しました。この時、答練最後の公開模試で「A判定」が出ました。それまでほとんど「C判定」でしたが、じわじわと学習効果が出てきたのでしょうか?大きな希望と励みになりました。( 8 月の学習時間は88時間)
  9月から図面作成についても訓練を始めます。それまでは答練でのみ完成まで仕上げて、過去問は図面作成したり、しなかったり時間の都合でバラバラでした。そして貴重な休日は1つのテーマ(例えば「民法」とか「土地の申請書」や「計算)等」を6〜7時間集中して整理・確認しました。もう試験までの残り日数を逆算すると整理できるのも最後のチャンスと考えていました。この頃には択一式を解答する時間も早くなっており、「このまま択一式高得点で逃げ切り」って形が理想でした。しかしながら試験まで1か月を切ったころから「なぜ、覚えられないのか?」と焦ってきました。( 9 月の学習時間は104時間)
  10月(試験月、直前期)の記録を振り返るとテーマは「択一式を血肉化する、書式を言語化する」とあります。平日3時間、休日は7〜8時間。択一式は9月までは分かっている問題は解きませんでしたが、10月に入り、全て解きなおしました。(簡単な問題でも忘れている場合があるからです)常にやり残したことがないか気にしていました。寝る前はよく「申請マニュアル」でイメージトレーニングしていました。焦る気持ちを抑えて、丁寧な学習を繰り返すように心がけていました。
 
●試験当日の心構え
・択一式は最初の5問は難しい
・慎重に解きすぎないようにする(本番はいつもより念入りに読んでしまい、時間切れになる)
・珍問に驚かない、落ち着けば解ける
・法改正部分や法定相続情報一覧図等、新しいテーマでも平気で難問を出してくる
・択一式の選択肢「ア」は慎重に読むこと。「ひっかけ」を誘ってくる
・択一式はどうしても「グレー」な選択肢がある、明確な肢で判断すること
・択一式は得意分野の問題だと、軽く読んでしまいがち、手を抜かないこと
・周りにうるさい人(ブツブツ言う人や、一喜一憂する人)がいたら試験官にメモを渡すこと
・図面の縮尺確認、転記ミス、四捨五入は慎重に(479.9901・・・をつい478.00としてしまう)
・書式土地の座標計算は電卓を使いながらも図面をイメージして(角度をミスしていても気が付かず進めてしまうと、 とんでもない大怪我となる)
・早合点、思い込みに注意!フラットな状態で問題全体を俯瞰する感じ
・焦るな、落ち着いて読めば実は平易な問題(令和2 年の書式建物等)
・最後に時間が余ったら択一式の迷った箇所を再読すること。(2.5点は大きい)

 

●持ち物について
・服装は普段通り、自宅に居る状態が理想
・会場へ着くまでに疲れないように、荷物は軽量で(私はルーズリーフだけでした)

 いよいよ本番、民法等前半は難しいと予想しており、焦りませんでした。迷う問題、もう1度読み直したい選択肢が複数ありましたが35分で終え「土地」へ。精神状態は落ち着いており55分で終了して建物へ。少し迷いがありましたが50分で終了。結果的には10分見直し時間が残りました。致命的なミスはないと感じていました。自身の合格は「五分五分かな?」ってところでした。でも、過去には感じたことのない妙な安心感がありました。
  口述試験については東京法経学院のテキストを熟読して挑みました。概ね順調で、終始和やかでしたが「土地家屋調査士法56条について答えてください」と質問された際には凍りつきました。なんとか助け船を出していただき軽傷で済んだと思っていますが、しばらく忘れることはないでしょう。
  以上が「合格までの記録」です。少しでも参考になれば幸いです。
 
●使用した参考書、問題集等
土地家屋調査士六法
申請マニュアル
・合格ノート
合格データベース
・地目認定
・建物認定
最強の調査士法
総合模擬答練(通信:ダウンロードタイプ)
・過去問10年分
・ 電卓はカシオfx-991ES(交点計算用)、FX-JP500(辺長、求積用)

 最後に、合格まで支えてくださった東京法経学院の皆様、本当にありがとうございました。