コロナ禍の受験生活|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

コロナ禍の受験生活

体験記
鈴木信也



体験記

 令和 3 年 2 月12日無事最終合格にてコロナ渦の受験生活が終わりました。新型コロナウィルス感染症で大変な時期にも関わらず感染症対策のうえ無事試験を開催していただいた関係者の皆様に感謝申し上げると共に、受験生の皆様が来年の合格を勝ち取る一助となる事を祈念して僭越ながら合格体験記を書かせていただきます。


●志望動機
 文系の大学を卒業後、土地家屋調査士とは関係の無い仕事をしてますが、知人に土地家屋調査士の先生がおり、その仕事の「やりがい」や「将来性」については折に触れ聞かされており、興味はあったのですが、難関資格なので中途半端な気持ちでは絶対合格出来るわけないと思い興味を抱く程度でした。しかし40歳を過ぎ現在の仕事の「やりがい」について自問自答する出来事があり(このように悩む経験を抱く方は少なくないと思います。)土地家屋調査士の「やりがい」にあこがれ、一念発起した次第です。


●受験計画
 一念発起したとは言え、妻と娘 2 人を食べさせて行かなければならないので当然働きながらの受験となります。仕事と脳の劣化具合を考慮した結果、 2 年計画での合格を目指す事にしました。受験指導校については迷わず「東京法経学院」の一択でした。理由は「合格者数」が突出していることもありますが、所謂「受験テクニック」に長け「本質」的な理解がないと、仮に合格したとしても土地家屋調査士として「やりがい」ある仕事が残せないのではないか?との思いもあり、歴史があり堅実な学習指導の印象がある「東京法経学院」にお世話になる事にしました。
 大まかには2019年(平成31年・令和元年)は、測量士補の勉強と土地家屋調査士のインプット、2020年(令和 2 年)は、土地家屋調査士のアウトプットの計画です。


●2019年
 測量士補講座と土地家屋調査士の「新・最短合格講座2019」をいずれもダウンロード版で前年の11月末に申し込みました。 1 年目はインプットの年と決めてたので答練については申し込みませんでした。勉強のスタートは 1 月 1 日を選びハッキリと区切りをつけました。午前の試験の免除を受けるため、王道ですがまずは 5月に行われる測量士補の合格をめざしました。

 

 少し脱線します。令和 2 年土地家屋調査士試験では新型コロナウィルス感染症の影響で測量士補試験が延期された事により、午前の試験の免除を受けられず午前から試験を受けた方も多かったと聞きます。午前から受けたほうがウォーミングアップになるというポジティブな考え方もあるとは思いますが、やはり午後の試験に集中するためには午前の試験の免除は重要だと思います。ましてや今年の受験生の中には午後の試験は合格点をとれていたのに、午前の記述で足切りにあって涙を飲んだという気の毒な方もいらっしゃるようですので、計画を立てて測量士補からの学習をおすすめします。
 元に戻ります。測量士補講座は全13巻で、最初は測量士補試験の数学からでした。大学は国語・英語・日本史の 3 科目で受験した文系脳なので、はじめはアレルギー反応が出ましたが、内堀先生の丁寧な講義のおかげで何とか理解できました。ダウンロード版は一度ダウンロードしてしまえば「ギガ」消費を気にせず何度も講座を見返すことが出来るのも良かった点です。
 毎年 1 月から 3 月は仕事の繁忙期にあたる事もあり、 1 月から 5 月はほぼ測量士補の勉強しかしておりませんでした。何年も使ってない勉強脳のリハビリになりました。
 令和になり初の測量士補試験が 5 月19日に行われ、結果は28問中27問の正解で無事合格でした。一通り講座を見た後は過去問を何度も回すという王道のスタイルでしたがこれが一番の近道かと思います。測量士補の合格は土地家屋調査士合格への第一歩でもありますが、長く勉強から遠ざかっていたので「自信」にもつながったと思います。


 測量士補の試験を終えたら翌日からは本番の土地家屋調査士の勉強です。とは行かず気が緩み 5 月中は無勉強のままダラダラ過ごしてしまいました。これではいけないと反省し、 6 月 1 日を土地家屋調査士の勉強スタート日と決めました(私は意思が弱いので、分かりやすい区切りの日を設定するようにしましたが、お勧めです。)。まずはダウンロードした授業をひとまず全部見ることで全体像を把握しようと考えました。「新・最短合格講座」は全部で30巻あり、大凡 1 巻 3時間です。 1 日 1 巻として 6 月はこれに当てました。と言いたいところですが勉強が出来ない日もあり 7 月半ばまでかかってしまったと思います。


 ところで「いつ」勉強するかは、社会人受験生の最も重要な課題だと思いますが、皆さんはお酒を飲まれますか? 因みに私はお酒が大好きで、二日酔いの日以外はほぼ毎日晩酌です。合格までは「断酒」するぞ!という意志の強さがある方は既に勝ち組です。私は無理です。断酒する位なら勉強しません。私は勉強時間を早朝に確保することにしました。我慢せず晩酌してとっとと寝て、早朝 4 時からの 3 時間を勉強することにしました。この生活スタイルは妻や娘達との時間に干渉しないので、勉強に対する家族の理解も得られるので結果良かったと思います。ただ旅行先にも(勉強を理由に家族サービスを疎かにはしない約束)三角定規や関数電卓を持って行き、読書灯で家族を起こさないように勉強していた時には「何やってんだろ?こんな旅行はいやだから絶対 1 発で合格してやる。」と思ったものです。
 話を戻します。 7 月半ばまでにざっと30巻見終えて試験の全体像をイメージすると共に戦略を考えました。択一式で高得点を取るのが一番確実だなと思ったので、択一式用のインプットをまず済ませ、その後は記述式の学習を進めながら「択一過去問マスター」を廻していく。記述式については土地の求積を最重視し(これが後々の反省点)、申請書の書き方を覚えて、建物の記述式については最後でいいだろう。といった感じです。
 7 月半ばから30巻分をもう一度見ましたが、2 回目はざっとではなく、理解を深めながら見ると共に、「新合格ノート」の内堀先生が「アンダーラインです。」と言ってくれた箇所について覚えていきました。またそれと平行して「択一過去問マスター」を解いて気づいたポイントなどを「新合格ノート」に書き込んでいきました(情報が分散してしまうのが嫌なので私はすべての情報を「新合格ノート」にだけ集約するようにしました。)。という感じで 8 月末までは勉強が計画通りに進んでいたのですが、、、


●2020年
 結論から申しますと2019年の 9 月から2020年の 1 月末まで全く勉強しませんでした。全くのゼロです。というより当時の気持ちは「撤退」です。

 9 月に過去経験したことのない大きな仕事を受注した(自営業です。)事で、仕事に忙殺されてしまい、勉強する気力もなく、そのまま繁忙期に突入し気づいた時には 1 月中旬を過ぎていました。少し仕事が落ち着いて余裕が出来ると、土地家屋調査士試験の日を逆算し「間に合うか?いや無理か?」と悶々としてました。しかし一度目指すと決めた事なので、娘達の手前もあり、やはりやりきろうと再度決意し、令和2 年 1 月29日に答練パック(ベストセレクトは通信・実戦答連からは通学)を申し込みました。そして今回も切りよく令和 2 年 2 月 1 日から再スタートを切りました。ブランクがあったのでまずは 3 回目の30巻視聴で記憶を呼び戻しつつ、送られてくるベストセレクト答練をペースメーカーとして(インプットしながらの)アウトプットの訓練を始めました。


 作図を始めると文房具が気になり始めると思います。私も高価なものも含め色々試しましたが最終的にはボールペンは150円の「JETSTREAM」、 シャープペンは500円の「STAEDLER」に落ち着きました。ただ正解はないと思いますので、自分の気に入ったものを使用すれば良いと思います。ただ文具に関して唯一おすすめがあります。問題文へのマーク等にラインマーカーを使用する方が多数だと思いますが、私はペンの持ち替えのタイムロスが嫌だったので、 4 色のフリクションボールペンを使用しました。時間の短縮にもなるのと、例えば壁の中心線は赤、内側線は青を使用する等の決めごと通り使う事でミスが減りました。また間違ったメモ書きなどでも消す事ができてミスが減るなどメリットが大きかったです。


 4 月スタートの実戦答練(通学)には、せめて白紙提出とはならない程度の力をつけようと2 月中は計画通りに勉強しました(平日 3 時間、週末 6 時間)が、このころから新型コロナウィルス感染症の影響が大きくなり、 3 月になると全国の学校が一斉休校になり、 4 月になると緊急事態宣言が発出される事態となりました。未知のウィルスへの恐怖とともに、この時期は仕事もほぼストップしてしまい自営業の身としてはそちらの方が恐怖でした。この仕事がないという恐怖の時間を勉強で埋められたのは幸いだったのかもしれません。
 実戦答練の通学が再開されたのは 6 月の第 8回目からでした。初めて訪れた東京法経学院でライバルと共に受けた初めての答練は、出来は良くなかったですが、ライバルの存在を意識できた事で一気にモチベーションが上がりました。いろいろ事情があるとは思いますが可能であれば、ライバルとヒリヒリした時間の中で答練を受ける事をおすすめします。茨城の田舎からの通学は大変でしたが、これを無くして合格は無かったと思います。
 週末の答練で良い点が取りたい。ライバルに負けたくないという気持ちでより集中して勉強し(書式過去問マスターを中心にアウトプット訓練)、 7 月19日の全国公開模試UではA判定(通学者で47位)を取ることが出来ました。この週末の答練をモチベーションとする流れを切りたく無かったのですが、総整理・速解答練は 8 月23日からと 1 ヵ月空いてしまいます。悩みましたがやはりこの週末答練の流れを変えたくなかったので、他校の答練を申し込み、その空白の 1 ヵ月を毎週末答練で埋めペースを維持しました(おかげで 8 月の第 3 週からは土曜日が他校、日曜日は東京法経学院での答練ダブルヘッターでかなりキツかったです。)。
 この実戦の繰り返しが功を奏したのか、最後の答練となる第 3 回総整理・速解答練では通学生 3 位という満足な成果を出すことが出来、本番に向けて大きな自信を得ることが出来ました。残りの 1 ヵ月については、新たに手を広げるのではなく、答練の復習を中心に合格ノートの読み込みと択一過去問マスターの間違いがちなところ(間違った所にポストイットを貼り、完全に覚えた所をはがす)を廻していく作業を繰り返しました。

 

 迎えた本番では過去の本試験と問題の傾向が大きく変わっており、手応えが全くなく不合格を確信し、なんとも気の重い年末年始を過ごしました。しかし蓋を開けてみたら筆記試験合格をなんとか勝ち取れていました。
 これもひとえに東京法経学院の「本質的」なご指導の賜物と感謝いたしております。受験テクニックに頼っていたら今回のような大きく傾向が変わった問題には対応出来なかったのではないかと思います。


●改善点
 今回運良く 1 回で合格出来ましたが、いくつか反省点があります。

 一番大きな点は、土地の求積の学習に時間を割きすぎた点です。学習を始めた頃は「座標値」を出すことが最重要課題のような感覚でしたが、近年では傾向が変わっているのかな?と思います。令和 2 年の本試験でもその傾向が顕著かとは思いますが、土地の記述式は、多数の座標値の算出を必要とするような複雑な問題から、求積については比較的シンプルな問題に変わって来ていると思いますので、求積の学習に注力「し過ぎない」方が良かったと思います。それよりも座標値が出せなかった時の緊急避難的対処方法を訓練した方が合格に近づくと思います。今回の本試験でも当初座標値 2 点出せなかったのですが、取りあえず図面の書けるところを書いてしまおう作戦に変更し、作図しているうちに、単なる長方形では?と気づくことが出来たおかげで残る座標値を出すことが出来ました。


 2 点目は民法を甘く見ていたことです。択一は最低16問。出来れば18問で計画していました。民法は約20年前ですが、学習していたので改正点だけ押さえる程度で 3 問中 2 問は取れるであろう(悪くても 1 問位は取れるだろう)と高をくくってましたが、本試験では全滅で、トータル15問でした。民法の学習にもっと力を入れていれば、心穏やかに年末年始を過ごせたのにと思います。


 3 点目は、申請書の書式例の学習です。申請書の書式例が新合格ノートには表題部所有者に関する登記が 4 例、土地が14例、建物が52例の計70例が載ってます。申請書の書式例のインプットは後回しにしたのですが、これが失敗でした。「に」「を」「から」とか意外と面倒です。答練では如実に「点数」に直結しますので、比較的初期にインプットしてしまう事をおすすめします。私は直前になって合格ノートの書式例の部分だけをコピーして常に持ち歩き、隙間時間で無理矢理インプットしました。


 以上長々と駄文を垂れ流してしまいましたが、少しでも皆様の合格の一助となれば幸いです。