合格体験記「東京法経学院を最大限に活用した合格法」|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

東京法経学院を最大限に活用した合格法

体験記

金利和さん


 体験記

金利和さん(東京都)平成26年度


「今,受けたこの答練が本試験でなくて本当によかった。」
答練終了直後に何度そう思ったことでしょう。またそう思っただけで何度も冷や汗をかいたことを思い出します。
私は,もともと司法書士受験生からの転向組であったので,択一に関しては苦手意識もなく,特に民法は改めて勉強しなくても何とかなったので,独学でも合格できるだろう,とタカをくくって受験に臨んだのですが,1度目も2度目も本試験で書式での土地の求積ができないことや,建物の作図の精度が悪く採点に結びつかないことから,結局書式で足切りとなり,不合格となりました。
そこで,書式対策に力を入れること,しかも,正しい対策を立てることが合格への最優先課題となりました。そう気がついた時点で,独学での勉強方法から受験指導校を利用することを決心しました。
数ある受験指導校の中で私が東京法経学院を選んだ理由は,やはり,過去の合格実績から常に最多の合格者を出しているという事実からでした。
書式対策の中で,まず最初に対策を立てなければならなかったのは,電卓に関していかに正確にそして早く操作できるか,ということでした。
そこで,東京法経学院のメディア教材である「新・求積のための関数電卓講座」「『複素数』と『交点計算』集中マスター講座」を購入しました。
M本先生のわかりやすい解説で,何度も視聴しながら電卓をたたくことで,最終的には人並み以上に使いこなせるようになりました。
作図対策としては同学院の「新合格レベル作図講座」を購入しました。これもわかりやすく,具体的に言うと過去問を題材にしているので,本試験時にはこうやって解けばよかったというふうに解説しているので,作図に対する苦手意識が和らぎました。そのうちにある程度までできるようになり,今度は自分で作図した図面の精度を確認したくて,また,本試験同様に限られた時間内で問題を解く緊張感のある雰囲気を体感しなければならないという思いから,同学院の「ベストセレクト答練」から受講することにしました。
答練を受けるだけではなく,もちろん解説講義も生で受けました。また,補講ビデオも,ことあるごとに借りて繰り返し解説講義を視聴し復習をしました。解説講義の間の休み時間なども利用して先生に積極的に質問をしに行きました。
そこでもいろいろと先生からアドバイスをいただきました。質問の内容に対しても「そこまで深く考えても試験に出ないよ。」とか「想像で出そうにもない問題を自分で勝手に作らないこと。」など,明確に即答かつ断言していただき,安心して変に深入りせずに勉強に取り組むことができました。
解説講義でも,書式問題を解くうえで的をえたポイントの解説を聞いた瞬間,まさに目からウロコがおちました。独学のまま勉強をしていれば,到底たどり着けなかった境地へと導いていただいたような気がします。
具体的には,短問式記述問題対策や受験生の多くの方がどちらかといえば不得手にしている筆界特定の勉強法や土地の書式における台形の公式に関する問題の対処の仕方など,例をあげれば枚挙にいとまがありません。
私は答練の位置づけを,本試験を想定しつつ,日頃の勉強の集大成としてのペースメーカーとしながらも,日頃のコツコツとした勉強の積み重ねが最終的に合否を決めると思いました。そこで,私のとった勉強法を具体的に述べさせていただきます。
択一対策としては,「この試験は法務省が条文の知識を正確に理解しているかどうかを問う問題が出題されるので,条文を丁寧に読み込むことが大事です。」と内堀先生が答練の解説講義で何度も口を酸っぱくしておっしゃっていました。そこで『2014年版調査士受験必携六法』を購入して答練問題や過去問に出題されている条文を片っ端からラインマーカーで印をして繰り返し学習しました。ただ,当初は条文を眺めていても知識が断片的にしか入ってきませんでした。そこで,『調査士合格ノートT,U』を購入して勉強しました。基本書であるその本にはただ条文が羅列しているだけではなく,その条文の解説が逐一載っており,その条文の立法主旨を学ぶことで,今まで点と点だった知識が線で結ばれるような感覚を覚え,改めて条文の理解を深めるのに非常に役立ったと思います。択一の過去問対策としては『合格データベース』の3冊を活用しながら,答練の問題の復習をしました。
これだけやれば択一に関しては充分であり,また,不安はありませんでした。
書式についてはメディア教材である「不動産表示登記申請マニュアル」を購入しました。視聴しながらわからない箇所があると再生を一時止めて何度もわかるまで視聴し直しました。特に複雑な区分建物の申請書作成対策に役立てることができました。
あと,問題集としては『書式過去問マスターT,U』,『書式合格演習ノートT,U』を時間を計りながら繰り返し解きましたが,ある程度書けるようになっても,それでようやく他の受験生と同じスタートラインに立つことができたのだとぐらいにしか思いませんでした。
そして,実際答練を受けて感じたことは,自分では正確に作図できているようでも実際は少しずれていたりして,添削された方から指摘を受けたことで,他人の目から書式の採点をしてもらう重要性を再認識しました。
あとは,答練の書式問題の復習を何度も何度も,答練の時と同じように時間を計りながらひたすら解き続けました。また,何度解いても間違う箇所や,前に解いた時は間違わなかったのに今回は間違った箇所についてノートに書き出しをすることで,自分が間違うパターンをマニュアル化にして,ことあるごとに見直しをするようにしました。
試験直前期には,書式について勉強しているというよりも,まるで小学生の時にやった算数の百マス計算をやっているような正確さと速さをひたすら訓練しているような感覚を覚えました。
ただ,ここまでやれば多分本試験も大丈夫だろうという,1年前の独学していた自分とは比べものにならない勉強量と,それに裏付けされた自信を持って本試験を迎えることとなりました。
本試験当日は,電車の事故や想定外の事態を予測して,2時間前に試験会場に到着しました。そこで少し早い昼食をとりました。備えあれば憂いなしで,何事も早めに準備することで落ち着いて本試験に挑むことができました。
また,事前に準備をしたことで功を奏したことが2つありました。
1つめは,寒さ対策で用意した上着です。真夏なのに寒さ対策とは変な話なのですが,実際教室はエアコンが効きすぎていて寒いくらいでした。事前に上着を用意して持って行ってよかったです。でも途中で問題を必死で解くあまり,頭が熱くなり,気がついたら脱いでいましたが。(笑)
2つめは,時計です。今年の試験会場の教室の中には時計がありませんでした。日頃は腕時計をする習慣はないのですが,その日は念のために腕時計を持って行って正解でした。腕時計がなければ時間配分がわからずパニックになって落ち着いて問題を解けなかったかもしれません。
そうして本試験が始まり,何とか試験終了10分前にはすべて問題を解き終え,見直しをする時間もありました。ただ,試験官の終了の合図とともに,「試験終了後に答案用紙に触った人は不正行為とみなし不合格とします。」と言われたのには少し驚きました。なぜなら,今までの過去2回の試験の時には試験官が答案用紙を回収するまでの間の時間差を利用して答案用紙に最後まで書き込みをしている受験生の方が何名かいたのですが,もうその作戦は使えないことが判明しました。
今年の本試験の印象としては,択一に関しては例年並みの内容でしたが,書式については図面の精度よりも法律的な正確な知識の理解が求められているような問題が出題され,今までのように土地の求積の出来不出来が合格を左右するのではなく,より実務的な素養が問われ,明らかに過去の問題とは傾向が変わったと思います。試験が終わった後,すぐに解答速報で答え合わせをしました。
自己採点では択一9割で,書式は土地建物ともに8割以上は取れている感じで合格の確信はしたのですが,合格発表までは正直,不安でした。
合格発表日に自分の受験番号をインターネットで確認してから,後に送られてくる成績表で確認すると,択一9割,書式は土地建物ともに8割5分以上取れていて,結果として上位20位の好成績で合格することができました。これもすべて東京法経学院の書籍,メディア教材や答練,そして講師の先生を最大限に活用したおかげだといっても過言ではありません。本当に感謝しております。ありがとうございました。
これから受験を目指される方に是非お勧めするのは,必ず答練を受けてくださいということです。特に東京法経学院の2月からの「ベストセレクト答練」からの受講をお薦めします。一度でも多く本試験の疑似体験をするべきだと思うからです。できれば席も前の方に座って受けてください。なぜなら前の方の席には合格に近い受験生が集まっていることからか,他の人の問題を解くスピードが実感できるのです。通常,択一→書式(建物)→書式(土地)という順番で問題を解いていくのがオーソドックスなのですが,周りの人はだいたい択一20問を25分から30分程度で解くんだなとか,書式の建物は45分くらいで解くんだな,などと参考になるからです。最初は無理でしたが,だんだんと慣れてきて,時間内にすべて解き終えるようになりました。また,他の受講生からの先生への質問事項も同時に耳にすることができるので,他の受験生が疑問に思っている情報を共有することができるのです。
また,必ず解説講義を受けてください。そして,できるだけ先生に質問するようにしてください。答練の問題や自宅での学習で疑問に思ったことなど,どしどし先生を活用したらいいと思います。またそれが答練を受ける最大のメリットだと思うのです。
最後になりましたが,私は受かっても落ちてもこの試験を受けるのは家庭の事情で今年が本当に最後でした。年が明けてからの試験までの8か月の間は,勉強に専念できる環境と同時に,試験に受からなければ,退職を含め失うものが多すぎるという,まさに背水の陣で臨んだ期間でもありました。これから調査士を目指される方は,今年ダメならまた来年があるさ,みたいな甘い考えを持たずに,今年ダメなら諦めるぐらいの意気込みで臨んでください。また,私が調査士の勉強を目指した当初に過去の合格者の一人から,「合格するまでは盆休みの期間はリラックスできないよ。」と言われたのを覚えています。たしかに調査士の本試験はお盆期間の直後に実施されます。1年でも早く合格して,お盆の期間は試験のことを考えずに迎えられるようにしてください。
皆様のご健闘を心よりお祈りしています。