司法書士の私が土地家屋調査士試験に合格した勉強法|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

司法書士の私が土地家屋調査士試験に合格した勉強法

体験記

H,Yさん


 体験記

1. はじめに

 皆様、はじめまして。私は28歳の司法書士です。2017年11月頃から土地家屋調査士試験の勉強を開始し、 2 回目で合格しました。勉強の過程では、思うようにいかないことも多く、逃げ出したくなる時もありましたが、今回、無事に合格できてとても嬉しく思っています。私の体験記が参考になるかはわかりませんが、何か一つでも参考になることがあれば、ご自身の勉強等において、取り入れてくださると幸いです。

 

2. 1 年目(不合格体験記)

 そもそも、私が土地家屋調査士試験の勉強を始めたきっかけは、仕事上の関係で、東京法経学院のスタッフの方とお会いし、その際に土地家屋調査士試験を勧めていただいたことでした。幸い、私は当時、測量士補の資格を持っていたため、土地家屋調査士試験を受験する際は、午前の試験が免除になります。また、土地家屋調査士の資格は、司法書士とも相性が良いと思ったので、挑戦を決めました。
とりあえず、テキストと過去問を開き、勉強を開始しましたが、知らない規定も多く、勉強においては戸惑いが隠せませんでした。しかも、土地家屋調査士試験には、記述式問題があり、計算や作図等の練習も必要になります。「 1 年で受かってやろう」と意気込んで始めた勉強でしたが、思うように進まず、特に記述式は練習不足を隠せませんでした。初めて受けた模試では、たしか記述式の点数が(土地・建物の合計で)20点を切っていたと思います。そのくらい、何もかもわからずじまいの状態でした。

 とりあえず、本試験までは勉強を続け、受験した結果は択一式40.0点、土地記述式19.5点、建物記述式11.5点でした。合格までは10点足りませんでしたが、実感としては、点差以上に高い壁があると思いました。

 

3.   2 年目

 1 年目の不合格を受け、 2 年目は、記述式対策の講座を受講することにしました。具体的には、「土地家屋調査士 記述式BASIC すっきり!まるわかりゼミ」、「『不動産表示登記申請マニュアル(改訂三版)解説講座」、「土地家屋調査士 合格ナビ作図攻略講座 すっきり!まるわかりゼミ」、「関数電卓(CASIO)fxJP500パーフェクトマスター すっきり!まるわかりゼミ」の 4 つを受講しました。これまで独自のやり方だった申請書、作図、求積等を体系的に学ぶことで、試験合格への道筋が開けた気がしました。これらの講座を担当しておられた内堀先生とM本先生にはとても感謝しています。
 また、択一式対策は、『土地家屋調査士 択一攻略要点整理ノート T・U』を使用し、知識の定着に努めました。加えて、 1 年目の受験時は、平成17年度以降の過去問を中心に解いていましたが、 2 年目は、平成元年度以降のものまで手を広げました。これにより、試験でどういった箇所が問われるのかが掴みやすくなったと思います。基本的には、毎日、過去問(択一式)を10問程度解き、 1 週間で 4 日以上は、記述式の問題を解くという感じでした。仕事との両立はなかなか大変でしたが、 1 年目よりは手応えも感じており、何とかいけるかもしれないと思っていました。


 そのような中で臨んだ 2 年目の本試験は、択一式40.0点、土地記述式16.5点、建物記述式20.0点でギリギリ合格でした。正直、本試験直後に択一式の自己採点を行った後は、「終わった…(もう 1 年だ)」と思っていました。ただ、最後まで諦めない気持ちが、ギリギリ合格という形で表れたのだと思います。この点に関しては、「運が良かった」という思いしかありません。

 

4.  司法書士試験受験経験がある方へ

 冒頭にも記しましたように、私は司法書士をしています。この合格体験記をお読みの方の中には、司法書士試験の受験経験がある方もいらっしゃると思いますので、この項では、そのような方向けのアドバイスができればと思います。

 まず、択一式対策に関してですが、これは、テキストと過去問で十分だと思います。講座を受講しても良いですが、おそらく、自分で勉強を進めていった方が効率的だと思います。試験科目も民法・不動産登記法・土地家屋調査士法の 3 科目なので、11科目ある司法書士試験よりは対策がしやすいと思います。また、民法に関しては、司法書士試験の勉強のアドバンテージも生かせるので、実質、不動産登記法と土地家屋調査士法の 2 科目といっても過言ではないと思います。基幹テキストを決め、過去問との往復を図ることで、合格に必要な力は、十分につくと思います。
 次に、記述式対策ですが、こちらは、講座を利用するのが良いと思います。というのも、関数電卓における複素数の使い方や、作図における三角定規の使い方などは、なかなか自分で身に着けるのが難しいからです。
 実際、私は、自分では習得できなかったため、講座を受講しました。その後、記述式の安定度が飛躍的に増していったのを覚えています。記述式対策は、まず、講座等で体系的な理解を図り、その後、身に着けたスキルをもとに、アウトプットを繰り返していくのが良いと思います。一度正しい「型」を身に着けてしまえば、あとはそれを応用していくだけです。逆に、一度間違った「型」を身に着けてしまうと、なかなかそこから脱却できません。一見遠回りに見えますが、おそらく、これが最も近道なのではないかと思います。

 

5. 模試との向き合い方

 私は、 1年目、2 年目ともに模試を 4回受けました。自慢ではありませんが、計8回受けた中で、合格判定をいただいたことは一度もありませんでした。もちろん、復習はしましたが、模試に気を取られすぎて、本試験対策がおろそかになるのは避けたかったので、あまり深入りはしませんでした。
 受験生であれば、模試の判定は気になると思います。ただ、模試の判定に一喜一憂している暇があれば、その分、試験対策を進める方が何倍も生産的だと思います。模試はあくまでも模試。そのくらいの割り切りをもって臨むのが良いのではないかと思います。

 

6. おわりに

 ここまでお読みくださった方ならお分かりかと思いますが、私は決して優秀な合格者ではありません。 2 回目の受験にして、基準点すれすれのギリギリ合格者です。ただ、極端な話、合格してしまえば、 1 位であってもギリギリであっても大きな違いはないと思います。試験勉強の目標は、あくまでも「合格すること」です。その気持ちを忘れずに、勉強を頑張ってください。私も、実務の勉強を頑張ります。