合格体験記|半年間で測量士補と土地家屋調査士に合格する方法|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

半年間で測量士補と土地家屋調査士に合格する方法

体験記

松本 悟


 体験記

土地家屋調査士に最短で合格するポイント

  • 測量士補、土地家屋調査士の試験は集中して勉強すれば、働きながらでも半年から 1 年の勉強でも合格する事が出来る!
  • 独学で1年以内の合格は難易度が高いため、実績のある予備校で通学、通信で勉強する必要がある!
  • 勉強方法やテクニックをしっかり理解して効率よく勉強していくことが必要!

 

 私は 3 月から勉強をスタートし、約半年間で測量士補、土地家屋調査士の試験に合格する事が出来ました。私の体験談がこれから受験される方の一助になる事を願い、書かせていただきます。


 まず、測量士補、土地家屋調査士の試験範囲は非常に狭く、集中して勉強すれば、フルタイムで働きながら、半年から 1 年の勉強でも合格する事が出来る資格です。現に私は不動産や測量の業界で働いた事はありませんがフルタイムで勤務を行いながら約 6 か月間の勉強で合格する事が出来ました。


ただし、半年や 1 年間の勉強期間で合格を目標とされる方は土地家屋調査士、測量士補のどちらの資格も実績のある予備校で通学、通信で勉強される事を強くお勧めします。独学でも合格は可能だと思いますが、長期間の学習を覚悟する必要があります。その理由は初学者に適した教科書がないからです。


土地家屋調査士も測量士補も専門的な用語が多い上、他の資格に比べて教科書の種類が少なく、選択肢があまりありません。その少ない選択肢の中で、自分に合った教科書を探す事は難しく、ある程度、自分が教科書に合わせた学習をする必要があるからです。そのため、講師の解説有無で理解度に大きな時間の差が開きます。そして、それが学習時間に直接影響するため、独学の場合は勉強が長期化する事を覚悟しなければなりません。
 以下の勉強法は私が受講した東京法経学院の土地家屋調査士最短合格コース(測量士補、合格ナビゲーション、調査士攻略ノート、答練、模試)を基にご説明します。

 

【測量士補試験対策】
 測量士補の試験対策はできる限り短く済ませる事が土地家屋調査士短期間合格のカギになります。測量士補の学習項目は土地家屋調査士の学習項目とほぼ重複しないので満点を取れるまで万全にする意味はありません。ギリギリ合格で十分ですのでそのレベルを目標として学習を行ってください。
 目安ですが、私はDVDの学習で 2 週間、過去問で 1 時間、復習の為、直前に 1 週間の合計約 1 ヶ月を費やしましたが、実際はもう少し短期間で学習できたと思います。おそらく、 3 週間前から勉強を始めれば、十分合格圏に到達するでしょう。ポイントは過去問と同じ傾向の出題が大半を占めるので、過去問題集を中心に勉強する事、計算問題のパターンを暗記する事です。計算問題は公式を覚えれば文章の択一問題にくらべ、明らかに簡単です。計算問題が苦手な方でも公式を丸暗記し、過去問の計算問題をすべて解けるようにしてください。範囲が広く、難問やひっかけ問題の作れる択一より計算問題パターンを抑える事が短時間で効果的です。

 

【土地家屋調査士試験対策】
 土地家屋調査士の試験対策については詳細に説明するため@前提、A勉強方法、Bテクニックの 3 つに分けて説明をさせて頂きます。

 

@前提
 まず、繰り返しになりますが短期間で合格を目標とされる方は通信講座、答案練習、模試の受講をお勧め致します。そして、複数の予備校ではなく一つの予備校に統一される事をお勧めします。特に記述式問題は予備校によって解答、解説に癖があります。その差が混乱する原因になっています。全く同じ過去問でも書き方や順番が異なります。


私は練習問題を求めて複数の予備校の問題集を購入しましたが、解答、解説の差に戸惑い、その整理で混乱した事から最終的には東京法経学院の問題集のみで学習を行うことにしました。

 次に予備校生間の交流は最小限に留めた方が精神的にはお勧めです。予備校にはベテランの受験生が多く、話をすると膨大な資料を持っており、非常に難易度の高い問題やレア問題に精通しています。もちろん、資料も難問もあればあるだけ、できればできるだけいいですが、実際はそこまで手を広げる必要はありません。


予備校はプロですのでベテラン受験生以上の時間を使い、必要な資料をまとめてテキストや問題集を作成しています。そこにないものは出題頻度が低い物なので後回しにしても問題ありません。個人的な意見かもしれませんが、土地家屋調査士試験では満点を取る必要はありません。難易度の高い問題やレア問題を間違えても、他の受験生と点数の差がつきません。短期間の合格を目指す上では不要だと考えています。必要な問題は誰でも解答出来る問題をいかに減点なく、解答するかが重要です。


 次に記述式の道具です。あまり拘り過ぎる必要はありませんが記述式の申請書と図面のボールペンを用意する事と製図用のシャープペンを購入する事はお勧めします。私の受験時の道具は以下の通りです。

 

記述式申請書ボールペン:三菱鉛筆のジェットストリーム0.5ミリ
記述式図面ボールペン:ゼブラのSurari 0.5ミリ
記述式シャープペン:グラフギアforPRO 0.3ミリ
択一、記述式メモ用シャープペン:ぺんてるopt 0.5ミリ
蛍光マーカー:ゼブラ オプテックス 2 イージー
消しゴム:サクラクレパスArch
関数電卓:CASIO fx-jp900

 

A戦略
 ここからは戦略について説明します。


・勉強時間の作り方
 短期間で合格は可能ですが、勉強なくして達成する事はできません。フルタイムで勤務されているのであれば平日 2 時間〜 3 時間、休日6 時間〜 8 時間は必要です。また、長時間の勉強より毎日少しずつ勉強をする方が効率的です。
 勉強時間を作る為、まずは一例でもいいので平日、休日の過ごし方を紙に書いてみてください。まず、何もしていない時間や削減できる時間は勉強時間にあてましょう。一般的にはテレビを見ている時間、スマホの時間、いつもより1 時間早く出社するといった事で時間を捻出します。ここで勉強時間が確保できない場合は、次にながら勉強できないか、代わりに誰かにやってもらえないかを考えます。


例えば、通勤の電車で択一問題を解く、風呂に入りながら勉強する、掃除機をかけることからロボット掃除に変更する、犬の散歩は奥さんにしてもらう等、考えてみると意外に時間を作る事が出来ます。時間が作れないと勉強は長期化しますので若干の無理をしてでも時間の確保に努めてください。

 

・スケジューリング
 時間の確保が出来たらスケジュールを決めていきます。 1 ヶ月が 1 行になったカレンダーを準備します。私は 3 カ月が 1 枚になったものを作成しました。残り時間がざっくり分かる方がいいので複数枚になるより1 〜 2 枚でまとめた方がいいです。カレンダーを準備したらすでに予定が決まっていて勉強できない日、勉強時間が限られる日等を埋めていきます。

 次に約 1ヶ月で映像や基礎が一通り学習できるようにカレンダーをうめていってください。その後は毎月 1 回のペースで学習項目を決めて、管理するようにしてください。スケジュールは出来るか出来ないかのギリギリより若干余裕を持つようにしてください。私は予備日という日を作り、遅れている場合はその日で予定を取り返し、予定通りの場合は先に進める様にしておりました。


特に初期段階はスケジュール通りこなす癖を作る事が重要です。スケジュール通りできなくても仕方がないと思ってしまうと、その時点でスケジューリングの意味がなくなりますのでその点を注意してください。

 

・モチベーション
 短期間合格を目指される場合は、出来る限り余分なことは考えないようにしてください。実務経験をどうしようか他の受験生と比べても意味がありません。他の受験生より遅れていて当たり前と開き直る必要があります。
 私は答練、模試の合格判定はC判定 1 回、D判定 2 回、他はE判定でした。ずっと焦っていましたが、判定は自分の現状を真摯に受け止める機会として、絶対本試験で合格すると思い続ける事で最後まで腐らず勉強する事が出来ました。


また、申請書や図面の練習した紙はファイルに閉じて保管するようにしてください。積み上げるとその紙の山が自分の自信につながります、合格される頃には少なくとも 3 冊から 4 冊の紙の山が築かれているでしょう。私は限界までに閉じたZタイプのファイルが5 冊出来ていました。試験の前日はそれを見て、心を落ち着けていました。

 

・勉強内容の区分
 勉強内容を 4 つに分ける事で効率的に勉強する事が出来ます。
A.図面
机や筆記用具、専門用紙、時間( 1 時間15分程度)が必要
B.求点、求積
関数電卓、紙と時間( 1 問15分程度)
C.申請書
申請書用紙と時間( 1 問10分程度)
D.択一
参考書、過去問のみ

 

 AからDの順で予定を組んでください。特にAはほぼ家や予備校でしかできませんし、練習以外で時間短縮の手段がありません。BやCはある程度落ち着いた環境であれば可能ですので家だけではなく、職場の休憩時間、カフェでもできます。Dについては場所も時間もとらないので移動時間や空き時間の学習が可能です。

 

・記述式学習
 基礎学習が終わり次第、記述式の学習に入ってください。特に注力すべきは建物、区分建物の申請書、土地の求点・求積です。
 私は毎朝 1 時間 3 問の申請書を建物、区分建物と 1 週間毎に書き続けました。こちらは過去問より、テキストの一般的な問題を一つも間違えない様に繰り返し学習することが効率的です。過去問で毎回違うものを考えて書くよりはテキストでパターンを暗記し、ちょっとしたミスをしない様にする事に重点を置きました。


間違いや忘れる場所には偏りが出てきますのでノートに控え、試験当日はそのノートを見返すようにしました。これは難しい問題は皆が間違うので差がつきにくいが簡単な減点は差がつくという考え方です。短時間での合格では一位になることは完全に捨てて、ギリギリ合格出来る事を念頭に置いていました。


 次に求点・求積は過去問を学習して計算時間短縮、パターンを覚える事と計算間違いを絶対にしない事です。本試験では求点・求積の計算間違いが命取りになりますので、自分なりの検算方法を考えておき、絶対に間違わないようにしましょう。緊張した環境で、急ぎながら解答しますので実力は半分くらいしか出せません。半分でも合格出来るような状態に仕上げてください。


私は非常に疲れる仕事をやった後に勉強を行うなどして、実力が出ない環境での練習を行っていました。他の記述式関係ですが、土地の申請書はパターンが少ないので、覚えにくいのは分合筆くらいなので、丸暗記で問題ないと思います。複雑なものやレアな物もありますが他の受験者も間違う可能性が高いのでほぼ学習しませんでした。テキストの一般的な土地申請書だけは間違えないように念入りに学習してください。
 また、図面は短時間で書けるようにするために複数回答練習が必要ですが、そこまで難しくはありません。細かな減点だけが怖いので忘れた部分や間違った部分はノートにまとめて、試験前には再度確認してください。

 択一は 6 月から始めても十分間に合います。テキストよりも過去問を20年分くらい解き続けて覚える方が効率的でした。テキストは何冊もあり、試験範囲が広く感じますが、過去問であれば 2 冊くらいに纏まっているので試験範囲を狭く感じます。


ポイントとしては学習する際、消去法を使わずに解答出来る様にしてください。難問は他の受験者も間違えるので捨てるつもりでした。16問〜 18問の目標で本試験では16問正解でした( 1 問塗り間違えました)。

 

・時間配分について
 答練や模試で自分なりの時間配分を予定するようにしてください。短期合格を目指す方は記述式の短時間化や高得点は難しいので択一 8 割を目標として30分〜 40分、土地、建物を各50分目安としてください。記述式は建物から解く様にしてください。土地より短時間で解ける可能性が高いので余った時間を土地に回す事で余裕が生まれやすいです。
 また、難問で長時間かかりそうな場合は50分の範囲内である程度解答出来る様にして、次の記述式問題に移ってください。 1 問で25点をとるよりも 2 問で25点取る方が簡単です。

 

・弱点の強化
 得意分野の強化より弱点の強化に時間を使用してください。得意→とても得意よりも苦手→普通の方がはるかに短い学習時間で達成できます。また、得意な問題が複数でる可能性は非常に低いです。


基本的には満遍なく出題されますので普通の分野を増やすことが短期合格では効果的です。特に本試験直前になると深堀がしたくなりますが、深堀よりも苦手分野を一つ確実に覚えるような学習をしてください。毎日一問覚えるだけでも1 ヶ月で30問を記憶できます。

 

【最後に】
 土地家屋調査士の試験は難関で8.8%しか合格できない資格といわれていますが実際は記念受験、山かけ受験をされている方が多く、きっちりと勉強し合格圏内いるかたは、1000名程度ではないかと個人的に思っています。実際に試験会場ではピカピカの参考書やピカピカの筆記用具を使用されている方も沢山おられました。一発勝負の試験で緊張するかもしれませんがご自分の勉強されたボロボロになった参考書、使い込んだ道具をみて、落ち着いて、受験なさってください。そして、最後に試験時間は試験官に終了ですといわれるまで解き続けてください。最後の一秒で一本の線を引いたか引かないかで合否は変わってきます。その一本の線を引く執念があれば、合格は近くにあると思います。

 皆様の合格をお祈りし、私の体験記とさせていただきます。