土地家屋調査士になるには国家試験に合格する必要があります。土地家屋調査士試験には、「基準点」と「合格点」という2種類の点数が定められており、試験を突破するには両方をクリアしなれればなりません。
この記事では、土地家屋調査士試験の基準点と基準点がそれぞれ何点か、どのように決まるのかを解説します。実際に土地家屋調査士試験に合格した先輩たちの声も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
<この記事を読んだ後に得られるベネフィット>
- 土地家屋氏調査試験の合格点・基準点の点数や合格率、近年の傾向が分かる
- 合格点・基準点が決まる仕組みが分かる
- 合格者の声から試験突破のヒントが分かる
目次
土地家屋調査士試験の合格点・基準点とは?
まずは、土地家屋調査士試験で定められている合格点と基準点がどのようなものかを具体的に把握しましょう。
合格点
土地家屋調査士試験の合格点は相対評価方式によって決定され、毎年変わります。土地家屋調査士試験では、合格者の人数があらかじめ決められており、それに応じた合格点が設定されます。
過去5年ほどの最終合格者は400人程度で、合格率は10%前後です。合格点自体は70点から80点の間で推移しており、近年はやや高めの傾向が見受けられます。
こうした傾向から見ても、決して突破しやすい試験ではありません。また、合格点さえ取れれば突破できる単純な試験ではない点にも注意しましょう。試験に合格するには、次の項で解説する基準点をクリアしておく必要があります。
基準点
土地家屋調査士試験における基準点とは、択一式問題と記述式問題のそれぞれに設定された足切り点です。つまり、その点数を下回っている場合は直ちに不合格とされる最低ラインが基準点といえます。
まず択一式問題の採点が行われ、基準点をクリアしていた場合のみ、次の記述式問題の採点へ進みます。そして、記述式の基準点をクリアすることにより、択一式問題と記述式問題の点数を合算した総合点が出され、試験の合否が判断されます。
つまり、総合点が合格点を超えていても、択一式問題、記述式問題のいずれかの区分で基準点を下回っていると、不合格になるということです。
なお、択一式・記述式それぞれの基準点の合計は、前項で解説した合格点と同一ではありません。合格点は基準点の合計よりも高く設定されています。
近年の合格点・基準点の推移と傾向
近年の合格点と基準点がどのように推移しており、また合格点はどのような傾向なのかを把握するために、午前の部・午後の部に分けて表にまとめました。なお、満点はそれぞれ50点です。
【午前の部】
午前の部(択一式)基準点 | 午前の部(記述式)基準点 | 合格点 | |
---|---|---|---|
令和6年度 | 30.0 | 28.0 | 70.0 |
令和5年度 | 30.0 | 28.0 | 70.0 |
令和4年度 | 30.0 | 32.0 | 68.0 |
令和3年度 | 30.0 | 30.5 | 64.0 |
令和2年度 | 30.0 | 32.5 | 70.5 |
【午後の部】
午前の部(択一式)基準点 | 午前の部(記述式)基準点 | 合格点 | |
---|---|---|---|
令和6年度 | 37.5 | 31.5 | 78.0 |
令和5年度 | 35.0 | 29.0 | 72.0 |
令和4年度 | 37.5 | 34.0 | 79.5 |
令和3年度 | 32.0 | 30.5 | 73.5 |
令和2年度 | 32.5 | 30.0 | 71.0 |
上表を見ると、午後の部の択一式の基準点はやや上昇傾向にあり、基準点は6~7割の得点率、合格点は7~8割の得点率に設定されています。
※出典:法務省.「令和6年度土地家屋調査士試験筆記試験の合格点等について」.https://www.moj.go.jp/content/001429668.pdf
※出典:法務省.「令和5年度土地家屋調査士試験筆記試験の合格点等について」.https://www.moj.go.jp/content/001408934.pdf
※出典:法務省.「令和4年度土地家屋調査士試験筆記試験の合格点等について」.https://www.moj.go.jp/content/001386649.pdf
※出典:法務省.「令和3年度土地家屋調査士試験筆記試験の合格点等について」.https://www.moj.go.jp/content/001362921.pdf
※出典:法務省.「令和2年度土地家屋調査士試験筆記試験の合格点等について」.https://www.moj.go.jp/content/001337471.pdf
基準点の決まり方
次に、択一式問題と記述式問題で基準点がどう決まるのか、それぞれの仕組みを見てみましょう。
択一式問題
土地家屋調査士試験は、択一式→記述式の順に採点されます。この順序となっているのは、採点者の負担を軽減することも理由の一つだと考えられます。記述式は文章問題なので、機械での読み取りではなく、人間の手で採点しなければなりません。機械による採点が可能な択一式問題で足切りをすることで、記述式で実際に採点を行う人数を全受験者中2,000人くらいにまで絞り込んでいるのです。
以上より、択一式の基準点は上位2,000人が通過できる点数となるよう設定されます。土地家屋調査士試験に合格するには、記述式の区分で全受験生の上位2,000位に入るように点を取る必要があります。土地家屋調査士試験の例年の受験者数は4,000人前後であるため、記述式で受験者全体の半分より上位に入るよう努めましょう。
なお、令和6年度試験(午後の部)の場合、択一式の基準点は50点満点中37.5点で、受験者数は4,589人でした。
記述式問題
先に解説した通り、土地家屋調査士試験では択一式の基準点をクリアした人だけが、記述式採点に進みます。記述式の基準点は、採点対象者の上位30%くらいに入るくらいの点数に設定されます。
なお、令和6年度試験の午後の部では、記述式の基準点は満点50点中31.5点でした。基準点の31.5点を突破できた受験者の累計人数は695人で、午後の部の受験者2,371人のうち29.3%となっています。
以上より、土地家屋調査士試験に合格するには、択一式問題で受験者全体の半分より上位に入ったのち、さらに記述式問題で上位3割に食い込むことが合格の目安となると考えて良いでしょう。
※出典:法務省.「令和6年度土地家屋調査士試験筆記試験(記述式問題)得点別員数表」.
https://www.moj.go.jp/content/001429669.pdf
試験後はイベントや解答速報で自己採点を
土地家屋調査士試験の終了後、多くの予備校で解答速報や解説が配信されます。過去データに基づいた専門家による信頼性の高い速報・解説なので、それらを利用して自己採点をすると良いでしょう。自己採点の結果、万が一基準点に届かなかった場合でも、次年度の受験に向けて早めに動き出し、合格率を高めることができます。
東京法経学院では、講師による筆記試験の講評や解答速報を公開しています。これから土地家屋調査士試験にチャレンジする人は、内容を確認して試験結果の傾向をつかんでおくと良いでしょう。
▼令和6年度 土地家屋調査士筆記試験の解答のポイント等及び合格ラインの予想
https://www.thg.co.jp/tyosa/comment.htm
▼令和6年度 土地家屋調査士筆記試験 インターネット解答速報
https://www.thg.co.jp/73/
土地家屋調査士試験の合格発表
土地家屋調査士試験の合格発表はいつ頃、どのような方法で行われるのでしょうか。令和6年度の実績を参考に、筆記試験の合格発表、最終結果に当たる口述試験の合格発表のそれぞれで解説します。
筆記試験の合格発表
土地家屋調査士試験の筆記試験の合格発表は、法務局または地方法務局に掲示される他、法務省のWebサイトにも掲載されます。令和6年度の合格発表は2025年1月8日午後4時に行われました。
筆記試験の合格者には、口述試験を実施する旨が記載された受験票が法務局から送付されます。受験票を受け取ったら、口述試験当日まで大切に保管しておきましょう。
※出典:法務局.「令和6年度土地家屋調査士試験受験案内書」.2024年. https://www.moj.go.jp/content/001419905.pdf
最終の合格発表
土地家屋調査士試験の口述試験が終わると、最終結果は法務局または地方法務局に掲示、法務局のホームページに掲載されます。その後、官報へ合格者の受験番号と氏名が掲載されます。結果を確認するまで、口述試験の受験番号は忘れずに控えておきましょう。
口述試験の合格をもって、土地家屋調査士試験に最終合格したものと認定されます。
なお、令和6年度の場合、最終合格発表は2025年2月14日午後4時に行われました。官報への公告が行われたのは、2025年3月7日でした。
※出典:法務局.「令和6年度土地家屋調査士試験受験案内書」.2024年. https://www.moj.go.jp/content/001419905.pdf
【土地家屋調査士試験合格者の声】悩み解決のヒントを見つけよう!
最後に、東京法経学院の講座を受講し、みごと土地家屋調査士試験に合格した人たちの声をご紹介します。受験準備を進めるに上で、どれくらい時間をかけるべきか、どう効率的に勉強できるかなど、疑問を持っている人もいるでしょう。ぜひ悩み解決のヒントにしてください。
答練なしで合格はなかった!
土地家屋調査士の資格に関しては以前から知っており、退職を機に取得を決め、一発合格を目指して、多くの合格者を輩出している東京法経学院の土地家屋調査士 新・最短合格講座2022総合(通信教育/答練通学)を受講しました。
この講座では、単なる暗記ではなく、法律や制度ができた背景まで専門家の講師が丁寧に説明してくれたおかげで、根本から理解しつつ、知識として記憶の定着ができました。
また、毎回現地で受講した答練は、本番さながらの緊張感を伴う内容で、予行演習のようにして挑み、落とし穴を経験しながらミスをしない練習に大いに役立ったと思います。得点順位が分かる点も、モチベーションの維持・向上につながりました。
この答練なしでは合格できなかったといえるほどで、本当に受講してよかったと実感しています。
合格者全額返金お祝い制度が一番のモチベーションに
地図が好きだったことから測量会社へ就職し、業務を通じて土地家屋調査士の仕事を知ったことがきっかけで、資格取得を目指すことになりました。
すでに測量士補、測量士の資格を独学で取得した経験があったため、土地家屋調査士も独学で合格できると考えて、受験に挑戦。しかし、本気で勉強したにもかかわらず、三度目の受験でも択一式の基準点に届かない結果でした。
ここで一度は諦めましたが、東京法経学院が合格者を多数輩出していることを知り再チャレンジを決意、土地家屋調査士 新・最短合格講座2022総合(通信教育)を受講し、試験に一発合格できました。
合格者全額返金お祝い制度が、合格を目指す上で一番のモチベーションになっていたと思います。
予想問題の精度は驚くほど素晴らしい
土地家屋調査士の資格取得を決意したのは、測量専門学校で土地家屋調査士の仕事内容を知ったことがきっかけです。在学中、東京法経学院の土地家屋調査士 新・最短合格講座2022総合(通信教育)を受講し、一発合格を成し遂げました。
最初は「登記」という言葉も知らなかったほどの初学者で、社会人経験もない中、まずは講義動画や合格ノートを活用して基礎知識を蓄えました。それから過去問と答練予想問題を何度も解くことで、知識を深めていきました。
特に予想問題は驚くほど精度が高く、学習の強力なサポートになったと実感しています。分からないところがあっても参考書の解説を読んで解決するなど、数々の工夫を重ねた努力が、一発合格につながりました。
赤ペンだらけの添削で方向性が良く見えた
仕事で不動産に関わる機会があり、土地や建物の登記を目にするものの、分からないことばかりでした。そのため、専門知識を身に付けたい思ったことが、土地家屋調査士の資格取得を決意したきっかけです。
そして、東京法経学院の新・最短合格講座2023総合(通信教育/答練通学)を受講し、一発合格を果たしました。
もともと得意な計算方法の解説講座にはあまり時間をかけず、それ以外の講座を自分のペースで数多くこなしたことが、自己のレベルに合った学習につながったようです。
通学講座では、講師の丁寧な添削により赤ペンだらけになりましたが、自分に足りない部分が分かり、どこを改善すべきか学習の方向性が見えて前向きに取り組めました。
まとめ
土地家屋調査士は合格率が10%前後と、難関の国家資格です。
試験問題は大きく択一式と記述式の2つに区分されており、それぞれに合格点、基準点が定められています。合格点は相対評価方式によって決まる一方、基準点はその区分での合格最低ラインを定めた足切り点として設定されます。受験の際は、こうした採点の仕組みを理解して準備を進めましょう。
土地家屋調査士試験の一発合格を目指すなら、東京法経学院の試験対策講座がおすすめです。最短ルートで効率的に学習する上で役立つ内容となっており、数多くの合格者を排出しています。
講座の詳しい内容は、ぜひ以下のページをご覧ください。
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通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。
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