3年目の試行錯誤|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

3年目の試行錯誤

体験記

松本 章太郎


体験記

 1年目0.5点、2年目2点足らずで不合格。2回ともあと少しというところでしたので、特に、2回目の合格発表の後、どうしたら合格するかが判らなくなってしまい、年齢的にも集中力が続かず、また1年も勉強する気力が湧いてこないのが正直なところでした。しかし、来年は娘の受験とも重なる関係上、親としてあきらめる訳にもいかず、もう1回だけやってみようという感じで勉強することとしました。

 

 2年目の不合格が決まった後の12月から、とりあえず1年目の受験前に通っていた学校の教科書や資料の流し読みを通勤電車及びバスの往復(1.5時間)時に始めたのですが、教科書や資料には、「えっ?」とか「あっ!」と思うところがあり、適当にチェックし、付箋を貼っていきました。
 1カ月もすると教科書や資料関係に目を通すことができたので、この付箋した箇所だけを毎日朝、30分だけ早起きして、繰り返し目をとおしていきました。教科書や資料の流し読みが一とおり終わった段階のお正月明けから、通勤の往復時間は、1年目の受験前に通っていた学校の択一の問題集や過去問(10年分)及び2年分の答練問題(14回分)を解くことにしたのですが、正誤だけでなく、その理由も一緒に答えるようにして、間違ったものや理由が不明瞭なものに付箋をして、その解答を見るだけでなく、自分なりの表現で理由がいえるように解いていきました。また、ひとつの問題やその解答理由の中で様々な関連事項などが思い浮かぶ毎に、解答解説の空きスペースに書き込んでおくようにして、解らないところや疑問点などを帰宅後調べて書き込んでいき、書ききれない場合は、そのページにメモ用紙を貼付け、書き込みスペースをつくりました。


 3月からは教科書や資料関係の付箋部分に目をとおす作業もやめ、択一と記述式のみをひたすら繰り返し、記述式は毎日土地と建物の問題を必ず各1問を解くこととしました。しかし、記述式はどうしても机上で計算や作図をしなければならないので、もう30分早起きして、出勤前に1問、帰宅後1問としてスタートしました。スタート時は、半年以上計算も作図もしていなかったので、勘が鈍り、1問解くのに1時間では足りず、朝は駅まで猛ダッシュとなってしまいましたので、朝は土地1問とし、土地の作図と建物1問は、帰宅後にすることとしました。2週間もするとなんとか1時間程度で終われるようになったので、出勤前に1問、帰宅後1問としました。


 ここまでやってきて、今の自分の実力はどの程度あるのか知りたく、また同じ問題ばかりではマンネリ化すること、そして試験慣れをするために、どこかの答練を受講しようと考え、ネット検索で東京法経の4月から始まる答練を見つけ、ギリギリでしたが、申込みを受け付けていただき、早速、第1回目の答練を受けました。

 結果、択一は8割、記述式は土地の作図までできませんでした。択一が思った以上に解けたので、東京法経学院の答練問題も含めて、択一問題のみに特化して、解答解説に重きを置いて、書き込んだ関連事項も含めて、徹底的に繰り返していきました。一方、計算や作図は慣れだけだと考え、朝と晩に記述式の土地と建物の各1問だけとし、択一同様に解答解説を繰り返し読み込み、あるいは書き込みをしていきました。

 ところで、勉強時間はというと、机上では朝の1時間と帰宅後の2時間程度、後は択一問題集と消せるボールペン1本と付箋を常に持ち歩き、往復通勤時間1.5時間と昼休みの0.5時間、その他仕事の移動時などを利用し、休日はできる限り記述式に時間を割き、朝3時間、夜2時間程度、家族との外出等の際は必ず択一問題集を持って行き、合間を利用して択一を解いていました。


 択一問題のみに特化して解説内容を理解し、覚え込む作業をスタートしてから2〜3カ月程経つと、記述式の問題内容とリンクし始め、答練の記述式問題における何が論点であり、どのような手続きが必要となるのかという理解度が急激にアップし、答練の試験中、記述式の問題文を読み返すことがほとんどなくなってきました。
 そして、東京法経学院の答練を受講したもう一つの理由は、受験テクニックを色々試すことでした。私の受講した東京法経学院の答練は、4月から7月まであり、中間と最後の全国模試を含め14回と回数が多くありましたので、択一をゆっくり確実に全ての問題を読んで解答したり、消去方式で解答したり、記述式問題の土地を先に、又は建物を先に解答したり、土地の場合、境界点の符号と種類や方位等の先にできる事項を記入してから作図したり、境界点間の距離は最後に計算して記載したり、建物の場合も各階平面図から作図したり、または建物図面から作図したりと、色々な手法で解答するようにし、択一、土地、建物のそれぞれの問題に何分かかったのかを問題のところに書き込んでおき、自分にあった確実に得点するパターンを見い出し、時間が足りなくなった場合、何を省略し、何を最初にすれば得点が上がるのかということを試行錯誤して答練に臨みました。

 結果、択一、建物、土地の順に行い、それぞれの時間的配分は、択一40分、建物50分、土地60分が私の配分だという目安ができました。そして、それぞれのテクニックとして、択一については、思い込みやケアレスミスの散見される私は、全ての問題に目をとおして答えること、例えば、答えがアとウだとしても、エとオを解くことで見直しも兼ねることができるといった解答方法が、最も確実に得点できるものでした。ただし、5問10分を基本とし、択一40分の配分に対し、10分以上オーバーしそうな場合は、消去法に切り替えるようにしました。


 記述式については、常道ですが、建物からとした理由は、土地のように座標値が間違っていると何もかもが狂ってくるといった心配が少なく、作図に時間が掛かる割にかき切ればある程度得点できるからです。また、申請書においても、土地のように複雑な計算もなく、記載パターンさえ押さえておけば、確実に得点できるからです。更に、私は各階平面図から作図するようにしました。なぜなら建物図面は誤魔化せるからです。各階平面図は区分の場合は簡単なのですが、非区分建物の場合、複数階を記載し、その上求積まで記載する場合があり、きっちりかかないと用紙に収まらなかったり、求積が書なかったりするため、適当にすると最悪描き直し、確実に得点できるところを失うことがあるからです。その点、建物図面は、複雑な場合もありますが、敷地の形状を適当に記載し、方位や地番等を確実に記載すれば、建物自体を書かなくとも、建物図面及び各階平面図の作図における全配点の内、得点が半分以下にはならないと判断したからです。こうしたことから、順序を記述式、各階平面図、建物図面としました。

 

 最後に土地です。まずは計算しますが、スピードは多分並み以下です。とにかく、検算しなくても良いようにゆっくり確実に計算機を叩くようにしていました。単純なことですが、スピードを追及すればするほど、私は間違いが生じやすくなることに気づき、案外ゆっくり確実にしても、心配するほど時間がかかる訳でもなく、結局急いで打ち間違いや見直しをしなければならない危惧を抱くより、いかにミスをなくすかを追及した方が、得点に結びやすいと判断したからです。
 そして土地の作図は、座標値さえきっちり出せれば、図面についてはほぼ満点になります。また、時間がギリギリになることがあり、焦りからミスを誘発することが多いことから、図面以外の記載事項をほとんど先に記入してしまってから作図するようにしていました。最悪、適当に下書きなしでハンズフリーの図をかき、境界点の符号と点間距離、地番を書きさえすれば、少々図が変形し、またはゆがんでいても致命的な減点にはならないと判断したからです。それから、土地と建物のそれぞれの平均的な図面に要する時間も把握しておくと、見切りをつける際の目安になります。

 

 こうした試行錯誤の結果、前半の答練で作図が出来たり出来なかったりであったのが、後半以降は、ほとんど最後まで解答することが出来るようになり、択一の平均も9割となり、少々時間を要していても焦ることなく、1、2回作図が最後まで出来きていないこともありましたが、得点の取り方が自分なりに把握できたことで、答練の10回目以降は全てA判定となりました。答練の回数が多い分、こうした試行錯誤できる機会が多く、また知識や座標計算方法、作図や記述式のパターン等多岐にわたっていましたが、試験問題におけるポイントが集約されていたと思います。これを試験前3カ月程の間に、全ての問題を3回以上繰り返し、試験本番に臨みました。


 本番の試験では、作図終了と同時に試験終了となりましたが、結果、択一45点、建物21点、土地23.5点と非常に高得点で合格することができました。ちなみにそれぞれの所要時間は、択一45分、建物50分、土地55分でした。

 私は、計算や作図のスピードにこだわるよりも、問題集等の解説内容の理解度を高める方が効率的かつ効果的であること、そして、いかにして取りこぼしを少なくし、得点を積み上げるための自分なりの手段方法を見出すこと、さらに、有事の際の解答方法あるいは省き方など、様々な状況での対処をシュミレーションしておくことは、試験時の気持ちに余裕が生じ、冷静に試験に臨むことが出来き、良い結果を導くことができると思います。
 要は、自分なりの点の取り方を見出すこと、即ち「点取り虫」になることが、合格の近道であったと思います。