質問に対して誠意をもって答える−口述体験記|司法書士試験|東京法経学院





司法書士 合格体験記

質問に対して誠意をもって答える−口述体験記

体験記

 体験記

◆試験会場にて

 集合時間の10分前くらいにしか会場の扉が開かなかったため,廊下でならんで待っていた。あまり私語をしてる人はいなかった。
会場の扉があくと長机があって2人座っていた。一人が受験票を確認して名簿に丸をつける。
もう一人のところでは番号プレートが箱に入っていて,プレートをひいてその人にわたす。その人は紙にプレート番号を書いて渡してくれるので,その紙に名前と受験番号を自分で記入した。

◆試験場への案内について

 記入した紙は,会場前方にいる係員に渡し,席に着く。席は指定されておらず,空いている
席に座ることができる。待機中は,口述試験対策の本を見直したり,席に合格後の研修の案内についての書類が置いてあったので,それに目を通したり,結構自由に過ごすことができた。
プレートに書かれた番号により4つくらいのグループに分けられる。1グループ1部屋が用意され,各グループの番号の若い順に試験が始まる。番号が呼ばれたら,まずは会場後方のパイプ椅子に座り,待機する。前の受験者の試験が始まったら,各部屋担当の係員の方が呼びに来てくれて,試験の部屋まで案内してもらえる。
部屋の前には椅子が用意されているので,試験官から呼ばれるまで,再び座って待機する。
試験会場に早めに着いたらトイレに行っておくこと。会場前は長い列になるため,受付が混雑するので終わるとすぐ説明がはじまってしまいかねない。(説明後,トイレに行ける時間は
あるが,殺到するためまた並ぶことになってしまう。口述の順番が1番だと焦ると思います。)
試験官は男女二人。長机(試験官の場所)から自分との距離は1m ちょっと。不動産,商業,書士法の順に質問があり,質問者は女→男→女だった。

◆口述試験の内容

 最初に,「これから口述試験を始めます。受験番号,氏名,生年月日を言ってください。」
と言われました。

【不動産登記】

  1. @ 仮登記とは何ですか。
    私) 仮登記には,1号仮登記と2号仮登記がありますが,1号仮登記とは権利変動は既に起こっているものの,手続上の不備により,本登記を申請することができないときに順位を保全するためにするもので,2号仮登記とは,権利の設定・移転・変更・消滅の請求権につき,又は死期付・条件付請求権について順位を保全するためにするものです。
  2. A 今,順位保全の話がありましたが,順位保全力とは何ですか。
    私) 順位保全力とは,例えば所有権移転仮登記をしていたところ,その後に第三者が所有権移転登記をしたとしても,その仮登記名義人が仮登記に基づき本登記をすれば仮登記の時点の順位が保全され,その順位で所有権を取得できるという効力です。またその場合,仮登記後に所有権移転登記をした者の登記は抹消されます。
  3. B 仮登記権利者が単独申請できる場合はどのような場合ですか。
    私) 仮登記義務者の承諾書を添付してする場合と,仮登記を命ずる処分がある場合です。
  4. C 今,仮登記義務者の承諾書という話がありましたが,その承諾書に印鑑証明書の添付は必要ですか。
    私) はい,必要です。
  5. D その印鑑証明書に期限はありますか。
    私) ありません。
【商業登記】

  1. @ オンライン申請の対象となるものを挙げてください。
    私) 印鑑証明書及び登記事項証明書の発行請求や,裁判所書記官の嘱託を除く行政機関の登記の嘱託などがあります。
  2. A 通常の登記申請はオンラインでできませんか。
    私) はい,できます。
  3. B 電子証明書にはどのような種類がありますか。
    私) 公的個人認証サービスによるものや,電子認証登記所電子証明書などがあります。
  4. C オンライン申請の場合,設立や役員変更の登記で,印鑑証明書の提出はどのようにしますか。
    私) 設立の際の印鑑届出については,直接書面にて提出する必要がありますが,役員変更について添付する印鑑証明書は,電子証明書によることができます。
    (こう返答したところ,「私の質問の趣旨の返答に該当するのは,前者ですので,後者については私の質問についての解答から逸脱しています」と言われてしまいました。役員変更については,代表者の変更があったときの印鑑届出の話かもしれませんが,質問内容がしっかり聞き取れていないようですので,Cについては他の方の質問内容を参考にしてください…)
  5. D オンラインで印鑑証明書の発行請求を依頼された場合,電子署名は必要ですか。必要な場合,どの書類に電子署名を要しますか。
    私) はい,必要です。委任状に電子署名を要します。
  6. E オンラインで申請する場合,登録免許税はどのように納付しますか。
    私)ネットバンクにより電子納付する又は収入印紙により納付します。

【司法書士法】

  1. @ 司法書士法1条には,司法書士法の目的が書かれていますが,司法書士法の目的を述べてください。
    私) 司法書士の制度を定め,その業務の適正を図ることにより,登記,供託,及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し,もって国民の権利の保護に寄与することを目的とします。
  2. A 司法書士の職責を述べてください。
    私) 司法書士は,常に品位を保持し,その業務に関する法令及び実務に精通して,公正かつ誠実にその業務を行わなければなりません。
  3. B そのような職責を定められる理由は何ですか。
    私) 司法書士の業務は,国から独占的に与えられた業務であり,公共性を有するからです。
  4. C 司法書士の業務を3つ挙げてください。
    私) 登記及び供託の代理をすること。法務局又は地方法務局に対して提出し,又は提出する書類,又は電磁的記録の作成をすること。法務局又は地方法務局の長に対してする登記又は供託に関する審査請求の手続を代理すること。
  5. D 司法書士法に定められている業務を3つ挙げてください。
    私) 事務所設置義務,会則遵守義務,秘密保守義務です。

◆試験を終えて

 試験が終わり部屋を出ると,係員の方がエレベーターまで見送ってくれます。案内してくださった係員の方も試験官の方も,親切で,あまり緊張することなく試験を終えることができました。
試験内容は,口述試験対策として東京法経学院からいただいた過去問に近いものが出ました。
筆記試験とは違い,口頭で答えなければならない不安はあるかと思いますが,過去問をしっかりこなせば十分対応できるかと思います。間違えて答えてしまっても,助け舟を出してくれますから大丈夫です。質問に対して,誠意をもって答える姿勢が大切だと思いました。
(※本稿は受験生の記憶に基づく問答の再現です。したがって模範解答ではありません。)