私の独学一発合格法|合格体験記|行政書士試験|東京法経学院





行政書士 合格体験記

私の独学一発合格法

体験記

大久保 晶光さん

 


体験記

●はじめに
 私は2019年度の行政書士試験に、約 7 か月の準備をして、幸いにも一回の受験で合格することができました。行政書士の受験者は社会人の方が多いと思います。私も仕事をしながら勉強時間を捻出し、何とか結果を出せましたので、これから受験される方のご参考になればと思い、体験記を書かせていただくことにしました。

 

●受験の動機
 私は政府系の法人に勤めており、2018年 4 月に法務担当部署に配属されました。それまでも法務の仕事をした経験があるため、最初の一年間は過去の経験を基に仕事をしていましたが、業務内容が多岐に渡るようになり、もう少し体系的に法律を勉強したいと考えるようになりました。特に民法と行政法については関係する業務があったため、行政書士の勉強は仕事に役立つのでは、と思うようになりました。
 そんな折、同僚が合格したという話を2019年2 月に聞き、刺激を受けました。また同じ時期に、私は50歳の誕生日を迎えました。人生100年とは言わなくても、まだ先が長い中、何か形になる資格に挑戦したいという気持ちが湧いてきたのも受験を決めた理由の一つです。それで試験概要を調べたりしたのち、勉強を開始したのが2019年 4 月でした。予備校に通ったり、ネット講座を受けたりすることは時間的に無理だと判断したので、基本は自分でテキストを購入し、過去問を解くことで準備すること、つまり独学で準備することにしました。

 

●勉強方法
1 .持ち時間を把握する
 まず行ったのが、行政書士の受験日まで、自分がどれくらい時間を持っているのか把握することでした。そのため、卓上用の小さなカレンダー( 1 か月が 1 枚になっている10×15pのもの)の 4 月から11月までの 8枚分を並べてつなげ、テープで止めました。そして試験日である2019年11月10日まで何日あるのか、10日毎に記入しました。その後、 1 日が終わるごとに、赤い斜線をその日付に引きました。

 こうすると、あと何日残っていて、平日と休日はどれくらいあるのか、ビジュアルに把握することができます。また、自分が取れる休暇を事前に書き込んだり、逆に出張や子供の幼稚園の行事などの家族との予定も記入し、勉強のために残されている時間をできるだけ正確に把握するように努めました。

 

2 .本を加工する
 次に、テキストや六法を使いやすいように加工しました。これは人によっては抵抗があるかも知れませんが、私は購入したら、テキストや六法の外側のカバーをすぐに取り外して捨ててしまいます。そうすると、本を本棚やカバンから取り出した後、サッと開けて、カバーがずれたり外れたりすることを気にするストレスを減らせるからです。
 次に、小口に章ごとにカラーペンで色をつけた後、ボールペンで章の名前や、六法なら法律の名前を書いて、すぐに読みたいところにたどり着けるようにしました(インデックスシールを貼るときもありました。)。小口にカラーペンで章ごとに色付けすると、章立ての構造が分かりやすくなるのと同時に、章ごとの大体の分量がわかるので、「ここまで今日は進めたな」「あとこれくらい頑張ればこの章は終わるな」と確認でき、やる気を維持できる効果があります。
 更に、100円ショップで手芸用のひもを買ってきて適当な長さに切り取り、ビニールテープで背の上の部分に取り付け、栞代わりにしました。普通の栞やポストイットだと落ちたり、無くなったりしてどこまで勉強していたのかわからなくなりますが、太めのひもをしっかりテープで取り付けると、そんなこともなく、自分が前に読んでいたところをすぐに開け、ストレスなく勉強に取り掛かれます。
 このような細かい加工をテキスト等に施して、環境を整えていきました。

 

3 .六法・法律用語辞典を選ぶ
 私は法律の勉強で大切なのは、条文を繰り返し読むことと、法律用語の定義を理解することだと思います。六法については種類も多くありますが、私は『基本六法(三省堂)』を愛用しました。その理由は、「字が大きいから」です。50歳になって正直、目が前よりも悪くなりました(笑)ので、この六法は重宝しました。ただし、行政法で勉強する必要がある地方自治法が掲載されていませんので、他の六法も併用しながら使いました。
 法律用語辞典でダントツにお勧めなのは、『デイリー法学用語辞典(三省堂)』です。初学者向けに非常にわかりやすい表現と事例で法律用語を説明していて、価格も他の用語辞典の半額以下です。行政書士試験に限らず、法律を勉強する必要がある方には非常に役立つと思います。

 

4 .テキストを読み、問題を解く
 行政書士の試験の全体像を知るためには、全体の科目の中身を知る必要があると考え、まず『うかる!行政書士入門ゼミ・伊藤塾編(日本経済新聞出版社)』を通読した後、『うかる!行政書士総合テキスト・伊藤塾編(日本経済新聞出版社)』を読み込みました(多分 3 か月ぐらいかかったと思います。)。しかしそのあと過去問を見たら全く解けないことがわかり、非常に焦りました。特に民法については歯が立たず、もっと詳しく、でもわかりやすいテキストを探すべきだと思いました。そんな折、たまたま近所の図書館で『国家試験受験のためのよくわかる民法(自由国民社)』を見つけ、非常にわかりやすく、また網羅的かつ分量も大部ではなく、加えて行政書士試験の過去問も章ごとの知識の確認に使われていたので、アマゾンで最新版(第 8 版。改正民法に対応しています。)をすぐに購入しました。この本は買って正解だったと思います。
 その後、特別な準備が必要だと考えていた記述式問題の対策として、『出る順 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集(東京リーガルマインド)』の問題集に取り掛かりました。もちろんほとんどは書けなかったのですが、でたらめでもいいのでとにかく何かは40字書いて、そのあと答えを見るという作業を行い、記述式問題を最後までやり、繰り返し読みました(なお、この問題集は憲法や行政法の判例も多く扱っていて、択一対策にも大いに役立ちました。)。

 

5 .過去問に挑戦する
 過去問は過去 5 年分、一通りは解けるようにがんばりました。過去問を解くことで、出題者の求めるレベル感がわかるからです。レベル感を把握すれば、どのような勉強をすべきかもわかります。ただし私の場合過去5 年の過去問をやり、解説を読むだけで精いっぱいだったのも事実でした。

 

6 .勉強時間を作る
 社会人でしたらどなたも勉強時間をどう確保するかが問題だと思います。私もそうでしたが、以下のような手段で捻出するように心がけました。

 

( 1 )メールの設定を変更する
 日常生活で気が散る要素をなるだけ減らす必要があると思い、細かい話ですが、ショッピングサイトからスマホに送られる広告メール等、自動的に送られて来るメールは、送信停止されるように小まめに設定変更をしました。これで毎日のメールの受信がかなり減りました。

 

( 2 )断酒(又は減酒)する
 私はお酒は好きで、飲み会の幹事をやることも多い方なのですが、勉強を始めてから 4 カ月間は一切アルコールを断ちました(その後は一月に一回ほど。)。お酒を飲むと当然その日は勉強できませんし、また次の日の朝も勉強時間に回せなくなります。そのため最大限控えました。

 また、飲み会参加も極力減らすことにし、どうしても出たい集まりには参加はしながらも、「資格試験の勉強をしているから」と断って、ノンアルビールを飲んでいました。この方法はなかなかよくて、飲み会の帰りの電車の中でも勉強できますし、次の日の影響もありません。そして友人達とは楽しく時間が過ごせるので、よい気分転換にもなりました。

 

( 3 )場所を選ばず勉強する
 私は毎日片道 1 時間以上の電車通勤ですが、この時間を勉強に活かしました。テキストを読んだり、問題集を見たりすることは立っていてもできます。人目が気になる方がいるかも知れませんが、私はあまり気にする必要はないのではないかと思います。というのも、私の観察では、電車に乗っている人のほとんどはスマホでSNSやゲームをしたり、読書したりなど、それぞれに集中していて、「あの人は朝から行政書士のテキストを見ているな」と気に掛ける人はまずいないと思うからです。仮にいたとしても、その人は、一瞬はそう思うかもしれませんが、その後は多分自分の世界に戻るのではないでしょうか。
 また、通勤時間以外にも、友人との待ち合わせ時間が15分余った時はマクドナルドで100円コーヒーだけ注文して勉強しましたし、歯科医に行った時も待ち時間中は受付ロビーで勉強していました。勤務先でも昼休み中、空いている会議室で勉強したこともあります。とにかく場所を選ばずに、また短い時間を逃さずに使って勉強するようにしました。そのため、いつも外出時はカバンに何か勉強の素材は入れておくようにしました。

 

( 4 )ギリギリまで勉強する
 勉強は試験直前のギリギリまでやりました。試験当日は、早めに会場に行って場所を確認した後は、近所の喫茶店に入り、資格試験の予備校スタッフが会場入り口前で配っていた直前チェックリストを舐めるように読んでいました。行政法ではこの時に確認した事項が本番で出題されたと記憶しています。

●勉強を振り返って
 約 7 か月の勉強を振り返って感じたのは、私が大学生だったはるか昔と異なり、今はわかりやすい法律のテキストも多く、ずっと法律を勉強しやすくなっているということです。特に行政書士の試験では民法が重要だと私は考えていますが、上記『国家試験受験のためのよくわかる民法』の他にも理解しやすい教科書はたくさんあるようですので、書店で手に取って自分に合うものを探すのが大切だと思います。勉強の手段も、東京法経学院のような予備校もあり、様々です。自分に合ったものを探すのがいいと思います。

 私の場合、予備校に通ったりネット講座を受ける時間はなかったので、とにかく時間を見つけてテキストを読んで、法律用語辞典で意味を調べて、問題集を解き、解説を読み、理解に努める、というオーソドックスな手法を取りました。法律は言葉の定義が大切なので、『デイリー法学用語辞典』はよく引きましたし、また六法の条文も何度も見ました。そういった意味では、結構愚直な勉強スタイルだったと思います。

 一方で、行政書士のテキストや問題集が多く、迷われる方も多いと思います。ここは判断が難しいですが、早期の段階で自分に合わない、しっくりこないと思ったら、思い切って他のものに変えるのも大切だと思います。ただし一度「これ」と決めたら、それを一通りやるまでは他のテキストは使わない方がいいと思います。とにかく最初から最後まで一通りやることが大切だと思います。一通りやれば全体像が見え、自分が特に力を入れるべきところが見えてきます。その段階で追加的に参考書を増やすのがよいのではないでしょうか。その意味では、私の場合、『総合テキスト』を一通り最初にやってよかったと思います。

 

 受験勉強には不安はつきものです。私も本当に合格できるのか、時間的に間に合うのか、ずっと不安でした。しかし、捻出した短い時間にしがみつくように勉強を続ける内に、少しだけ前に比べて理解が進んだことに気づくときがありました。そしてその進み具合は、試験の直前期に大きくなったように思います。勉強して知識が後退するということはありません。ですので、勉強の不安を少しでも減らすためには、勉強をするのが一番いいのではないかと今振り返って思っています。

 

●合格してみて
 合格と言う具体的な結果を出すことができ、家族や同僚、多くの友人達が喜んでくれるのが非常にうれしいです。また、職場の若手が「自分も行政書士を受験することにしました」と言ってくれたり、先輩から「大久保さんに刺激を受けたので、自分もフランス語検定 1 級を目指すよ」と言われたりすると、少々面映ゆい気もしますが、素直に喜びたいと思います。
 行政書士の最近の合格者の傾向として、40代、50代の数も多いですし、合格率も20代、30代の方とそう変わらない、という話を聞きました。挑戦したいという気持ちと時間捻出をはじめとする様々な工夫さえあれば、結果は出ると思います。またそれは行政書士試験に限らないと思います。

 

●これから
 行政書士に受かったことは、仕事上、そのレベルの法律の知識があると周囲に認めてもらえると同時に、だからこそいい加減なことは言えない、しっかり法律を確認しなくては、という自分の戒めにもつながると思います。法律の勉強を今後も続け、自分の知識を増やしていきたいと考えています。