「登記のスペシャリスト」とも言われる司法書士は、法律に関連する書類作成や手続き代行などを行うことを主な仕事としており、法律に関する専門家として依頼者からさまざまな相談を受けることも多いでしょう。
法律に関する相談を受け、専門的な知識を活かして問題解決に導くことで、大きなやりがいを感じることができる仕事ですが、認定司法書士であれば、訴訟の代理や支援といった実践的な業務を行うことができます。
ここでは、司法書士が行える「訴訟代理業務」についてご紹介していきたいと思います。
司法書士が訴訟代理業務において、できる範囲とできない範囲について、しっかりと確認しておきましょう。
司法書士の「訴訟代理業務」とは?
訴訟代理業務とは、本人に代わって行う訴訟業務を指します。
訴訟上の行為が本人にとって不利益とならないよう、また、訴訟手続きにミスを起こさず訴訟遅延を生じさせないように、法律に関する専門的知識を持っている者に限って行うことが認められており、訴訟代理人は民事訴訟法54条では原則として弁護士に限られています。
ただし、認定司法書士であれば、簡易裁判所における訴額140万円以下の事件については訴訟代理業務を行うことができるとされています。認定司法書士とは、一定の研修を受けて法務大臣に認定された司法書士です。
司法書士は、同じく法律に関する専門的知識を持つ弁護士と混同されることもありますが、弁護士が法律に関する業務のすべての範囲において対応できるのに対し、司法書士は業務範囲が限られており、訴訟代理業務においても対応可能な業務の範囲が限られています。
なお、簡易裁判所の訴訟代理業務については、裁判所の許可があれば弁護士や司法書士以外の者が行うことができる場合もあります。
訴訟代理業務において司法書士ができる業務とできない業務
訴訟代理業務において司法書士ができる業務は、簡易裁判所における民事訴訟手続きのうち、目的の価格が140万円以下の事件について当事者に代わって行う訴訟手続き代理業務です。
具体的な簡裁訴訟代理等関係業務には、簡易裁判所における「民事訴訟手続」、「訴え提起前の和解手続」「支払督促手続」「証拠保全手続」「民事保全手続」「民事調停手続」「少額訴訟債権執行手続」「裁判外の和解の各手続について代理する業務」「仲裁手続」「筆界特定手続について代理をする業務」などが該当します。
なお、これらの簡裁訴訟代理等関係業務は、すべての司法書士ができるわけではなく、業務遂行に必要な能力を有すると法務大臣によって認定された司法書士に限って行うことができるとされています。
認定司法書士なら、書類の作成の依頼を受けた依頼者が、裁判の期日に都合がつかず裁判所へ出向けない場合にも、代理人として裁判で争うことができます。
一方、訴訟代理業務において司法書士ではできない範囲とは、前述の通り訴訟額が140万円を超過する案件です。
訴訟額が140万円を超過する案件は弁護士の領域となるため、司法書士は代理人として活躍できないので弁護士にお任せしましょう。
一方、訴訟代理業務において司法書士ではできない範囲とは、前述の通り訴訟額が140万円を超過する案件です。
訴訟額が140万円を超過する案件は弁護士の領域となるため、司法書士は代理人として活躍できないので弁護士にお任せしましょう。
コラムの運営会社
株式会社東京法経学院は10年以上にわたり、土地家屋調査士・測量士補・司法書士・行政書士など、法律系国家資格取得の受験指導を行ってきました。
通学・通信講座の提供だけではなく、受験対策用書籍の企画や販売、企業・団体の社員研修もサービス提供しています。