辛い時は休む。諦めずに目的を持って続ければ必ず合格はやってくる。|合格体験記|行政書士試験|東京法経学院





行政書士 合格体験記

辛い時は休む。諦めずに目的を持って続ければ必ず合格はやってくる。

体験記

 


 体験記

私は平成24年度行政書士試験に合格することができました。今だから言えますが,私は行政書士試験を4回目にしてやっと合格することができたのです。それぞれの失敗のなかで今回の合格に繋がりそうなことを私の体験に沿って書かせていただきたいと思います。

 

1回目の受験は大学2年生の時,完全に記念受験レベルでした。実は「法学検定4級」という試験を受けるために勉強していたのですが,逆に言えばそれだけの知識で受験しました。これでは到底受かるはずもなく(そもそも行政法はその検定にはない)あっけなく,記述採点に星マークがつきました。そもそも行政書士試験というものを受けたのももっと良いレベルの大学に行った友人が「行政書士になりたい」と受験したのを聞き,そいつが落ちて私が受かれば大学のレベルなんか関係ないということが示せるという学歴コンプレックスに満ちたものでした。ただ一つ,この段階で言えるのは「六法」が読める,最低でも聞いたことがある状態である必要があります。そうじゃないとまず問題が理解できないからです。

 私は負けず嫌いな性格もあり翌年に二度目の受験を決めました。しかし,その時は行政書士とはなんぞやということを調べてから勉強しました。行政書士業務の中には申請書類の代行・民事契約書作成など「予防法務」が仕事であることに強く興味をもちました。多くの人が紛争状態にならないようになる手助けができる…こんなに私に向いた仕事はないと思いました。やっとここで試験勉強を始めたのです。ここまでで言えるのは「なんとなく受けよう」という気持ちでは本当に頭のいい人(か,時間にも精神状態にも制限のない人)を除けば普通は受かりません。どうしたい,どうなりたいという意思をしっかり持って最後まで忘れないでください。次はそれを忘れた故に起きた事態を書いていきます。ちなみにこの時は民法・憲法の知識を中心にしていたため,やはり合格できませんでした。もちろん,試験のキモは行政法です。しかし,ここでの勉強はあとに効いてきます。行政法も商法も理解するには「民法」の知識が要になると断言していいと思います。

さて,三度目は少し空いて法科大学院に入ってからです。そう私は完全に目的を見失っていました。基本的に弁護士になる勉強は紛争状態に陥った状態をどうするかがメインです。でも,私の解答は「当事者が望む段階で〜」というものになりがちでした。当然点数になりません。ついに自分の中の矛盾に押しつぶされて精神を病んでしまいました。こんな状態で試験を受けましたがそれでも半分以上取れました。その時は行政法と商法が苦手なのでそこの択一をしっかり取れるようにしようと行政手続法・行政事件訴訟法・総論のテキストをひたすら問題集をやっては見返す,線を引くというアウトプット→インプット学習です。それをひたすら繰り返します。何度も間違えたところは何重にも色が重なっているので欠点だと理解できます。そしてそこを潰す。そうすれば択一はほぼ取れるようになると思います。特に暗記するしかない商法には効果的です。しかし,欠点があります。六法を見ないと条文を理解しきれないのです。従って,条文をそのまま聞かれただけの問題や,予期せぬ斜めな問題(今年で言うところの手続法の問題で産業廃棄物処理法が出てくるような),そして肝心の記述に穴ができかねません。やはり六法を見ることは非常に重要です。問題に出てきた条文は変なのを除けば必ず目を通し「これは一回見たな」とわかるように印をつけておいてください,上述の方法と同じように欠点が見えてきます。

そして24年度試験に備え始めました。まずは民法のテキストと本誌の司法書士の民法講座を見るようにしました。行政書士用テキストではイマイチ理解が不十分なところも理解できました。また難化傾向の試験に対応するため民法だけは司法書士試験用のものも債権・総則分野のみ使用しました。逆に出る可能性が限りなく低い,民法での法人分野・入会権,譲渡担保(今年出てきたが)は行政書士用テキストですら読みませんでした。アウトプット→インプット方法への切り替えですね。テキストやったらその部分の問題集をやる。この繰り返しです。問題集は昨年度と同じものと予想問題集を繰り返しましたが過去問は3周したら別の予想問題集をやりました。行政法はさすがに点数を伸ばすために予備校の通信講座を受けました。これは効果てきめんですが初めて受験する人はまず,民法から理解しないとわからないと思います。この時は8月末から一緒に勉強を始めた友人がいました。彼は全くの法律無知です。しかし,私が民法を教えて彼と問題を解き,どこが間違っているかを二人で話し合いテキストを確認する…という勉強をしたところ私は民法を間違うことは少なくなり,彼もまだ行政法を私が教え始めたばかりだというのに(時間にして1か月くらい)予備校の模試で100点を超えるようになりました。いかに民法が重要かこれで理解出来ると思います。加えて言えるのは勉強仲間のうちでとくに仲のいい人,全く法律を知らないけど興味あるんだという人に教えてみる,教え合ってみるという勉強法は驚異的に点数を伸ばしてくれると思います。直前までは行政法・民法に焦点を絞り,たまに憲法をやる,憲法デイをつくり一日憲法の世界に浸ってみるという感じでしたね。それが結果的に良かったと言えると思います。

そして直前期は友人と商法を読み合いっこして,問題をその場で作って出すということをやっていました。商法は過去問演習と予想模試以外にはこれだけです。なぜなら20点しか取れないからです。そのうちの8〜12点取れればいいと割り切って商法は完全に後回しにし,民法・行政法は40字記述対策本と予想模試,憲法は過去問と予想模試,一般知識は模試や問題集に出たものをテキストで確認し,これも読み合いっこと問題出し合いです。絶対出る電子分野,情報保護分野だけは一問一答も使いましたし時間もかけました。最後の1週間は予想模試と予備校の模試の総復習です。そしてこれも友人と解説しあう。これ以外はしていません。せいぜい民法の確認くらいです。

結果ですが私は合格,もう一人の彼は残念な結果だったものの僅か2か月程度の勉強で170点を超えました。来年は合格するでしょう。そして健康管理にも気を使ってください。私は精神的な病を治療しつつでしたが毎日の散歩が非常に身体にも精神にもよかったです。友人も体調管理が甘かったゆえに最後に1週間寝込んでしまいました。それがなければ合格していたかもしれません。

よくネットでは行政書士は余裕という文字が踊ります。しかし世の中そんなに頭のいい人だけではありません。その情報を書いた人が本当に新体制の試験を受けているのかもわかりません。勉強は必要です。落ちたから自分はダメなんてことはありません。そして全員が全員努力しつづけられるわけでもありません。私も何度も体がついてこなくなりましたしやめたくなりました。というか休みました。続けられるのなら休んでもいいのです。体を壊したら何もなりません。またやるかと思ったらやる,それでもいいじゃないですか。

自分の「行政書士になって争いごとを減らす手伝いがしたい」という思いがほんものだったから私は続けられました。在り来りになりますが「諦めず,自分のやりたいことを考えて,そのために必要」な資格なら必ず勉強していたら向こうからやってきます。辛い時は休んで,そして諦めずに目的を持って勉強を続けてください。勉強をはじめてまだ続けているなら行政書士は絶対合格できる資格です。興味のないものは続きませんからね。最後にここまで読んでくれて大変ありがとうございました。