「私は,書式先行式勉強法で合格しました」−合格体験記|司法書士試験|東京法経学院





司法書士 合格体験記

「私は,書式先行式勉強法で合格しました」

体験記

 体験記

K.Mさん(埼玉県)

◆はじめに

 私は,大学在学中に司法書士の勉強を始めたものの,挫折して,一度は勉強をやめてしまいました。そして,いよいよ就職という時期になり,「このまま諦めてしまっては負け犬だ!」と一念発起し,卒業とともに勉強を再開しました。受験指導校の受講代を稼ぐため,週に2〜3回のアルバイトをしながら,某指導校の通学講座を利用し,卒業後2度目の試験で,何とか合格することができました。
以下において,通学講座の活用法と,苦手だった不動産登記法及び商業登記法の攻略法,本試験本番での心構え,そして,合格して思ったことについて述べたいと思います。

◆通学講座の活用法

 指導校での通学講座を受講するうえで,心がけていたことが2つほどありました。
一つは,講義が終わった後,講師に必ず質問をするということです。
講義を受けているだけでは,どうしても眠くなります。「この講義が終わったら必ず質問するぞ!」と,あらかじめ決めておくことで,講義を集中して受けることができます。また,毎回質問していますと講師に顔を覚えられ,講義をさぼりづらくなるというメリットもあります。
もう一つは,講義を受けてから次の講義までの間に,その講義で扱った部分の過去問を必ず解くということです。
講義でインプットした知識を,まだ活きがよいうちにアウトプットすることで,知識をより確かなものにすることができます。
さらに,この過去問の解き方にも,私は工夫を凝らしました。それは,最低3回解くということです。
1回目は,講義を受けてから次の講義までの間に解きます。2回目は,その後,1週間を置いて解きます。そして,3回目は,1回目から1ヵ月の間をおいてから解きます。3回続けて同じ問題を解くよりも,期間をあけて解いた方が頭に残ると聞いて実践したのですが,私にはこの方法が合っていたようです。
3回解いても間違う問題には印を付けておき,時間をみつけては目を通しました。

◆苦手分野攻略法

 私は,法学部出身ということもあり,民法や商法などの実体法はある程度,得意としていました。しかし,手続法,なかでも不動産登記法と商業登記法は,大の苦手でした。
この苦手科目をどのように克服したかといえば,それは「書式先行式勉強法」です!方法は,いたって簡単です。
不動産登記法,商業登記法は,ともに書式よりも択一式の方が細かい論点が問われます。したがいまして,まず書式を,書けない問題がないくらいに仕上げてしまいます。その後,残った択一式でしか出題されない知識を埋めるという,勉強方法を採ったのです。
多くの受験生は,択一式の勉強が終わってから書式に取り掛かろうとします。しかし,これでは効率が悪いのです。なぜなら,不動産登記や商業登記は,登記の申請書作成及び申請手続について出題がされます。したがって,択一式を先行させると,書式がイメージできないからです。
勉強を始めた当初,私が不動産登記法,商業登記法を苦手としていた原因は,まさにこれでした。書式をイメージできないまま択一式の問題を解こうとしても,なかなか点数は伸びず,逆に,書式問題が解けるようになっていれば,択一式の問題の7〜8割は解けます。残りは,択一式問題を繰り返し解くことで,すぐに埋まります。
また,書式の問題は,択一式と異なり,作業が必要となります。たとえば,不動産登記では相続がらみの問題がよく出題されますが,当然,問題を解く前提として相続人を確定しなければなりません。また,商業登記でも,決議された事項などを,時系列に整理していく作業が必要になります。
こうした作業をしますと,脳が活性化され,目が覚めます。ですから,私は,毎朝食後,不動産登記,商業登記の書式を1問ずつ解くようにしていました。
私は,初学者の人にも,なるべく早く書式問題に当たることをお勧めします。

◆試験本番での心構え

 試験は,1年に一度しか行われません。必ずその日に,1年間の自分のピークを持っていけるように心がけてください。
体調を整えることはいうまでもありませんが,試験日1ヵ月前からは,本試験が実施される時間に合わせて勉強を行ったり,模試を受けるときは,本番と同様の気持ちで臨み,時間配分も同じにしたりするなどの準備をしておいても,損はありません。
また,試験当日,電車が止まってしまい,試験会場にたどり着けない可能性もあります。そのような場合,仮に受験できたとしても,動揺して実力を発揮できないかもしれません。
私は万全を期して,試験会場の近くのビジネスホテルを予約しました。

◆合格して思ったこと

 私は,1回目の試験が1問足らずで不合格となったショックのため,2回目の受験勉強は,年が明けてから本格的に開始しました。それでも,午前の部・午後の部の試験ともに択一式で31点を獲得でき,合格することができました。
このことから思ったことは,人間が本当に集中して勉強できる期間は1年程が限度,そして,1年間本当に集中して取り組めば,かなりの実力が得られるということです。
近年は,頻繁に法改正が行われています。不動産登記法の大改正しかり,平成18年5月施行といわれている会社法しかりです。
いくら難関資格といっても,合格までに5年も6年もかかってしまうと,せっかく勉強した知識が役に立たないものになりかねません。1,2年での短期間勝負と決めて,勉強を優先させた生活を送ってください。