「独学での戦いを仲間と支え合い合格!」|合格体験記|司法書士試験|東京法経学院





司法書士 合格体験記

「独学での戦いを仲間と支え合い合格!」

体験記

 体験記

F.Sさん(神奈川県)

◆『はじめに』

 私は独学者で,短期合格者ではありません。
勉強方法に王道はないといいますが,私の採った勉強計画・方法などを,少しでも多くの人に試験対策などの参考にしてもらいたく,合格体験記の場をお借りすることにしました。

◆直前期を見据えた計画作り

 まず,受験勉強は長期戦なので,直前期を見据えて効果的な計画を練る必要があります。
私の場合,やると決めたときが吉日と思いましたが,初年度は6ヵ月しか勉強期間がなく,まったく力及ばず不合格に終わりました。
そして,次年度は,受験費用調達のために不合格決定の日から丸3ヵ月間勉強を中断したため,充分な計画が練られず惨敗でした。
不合格決定後,長期間の受験勉強の空白は,最初からの出直しと等しく,思考上も経済上も好ましくありません。そこで,3年目は辛い気持ちを抑え,試験明けから合格体験記をできるだけ集め,年内に(1)マイナー科目を潰すこと,(2)苦手科目の克服,(3)得意科目の徹底化をスローガンに,勉強計画をまとめました。
そして,直前期に,力のすべてを注げる状態にもって行くように努めました。
さて,(1)ですが,マイナー科目はさほど難問はないので,早いうちに取り組んで直前期に備え,(2)の苦手科目については,いつまでも苦手意識を引きずっていると,直前期に慌てて後の祭りとなるおそれがあるので,早めに克服すべきであり,また,(3)は得意科目を徹底的に得意にすることで,直前期の総整理を優位に進めていくことができると痛感したからです。
さらに,自分に合った環境作りも大切です。 勉強をする環境はさまざまだと思いますが,たとえ1日10時間以上勉強する時間を確保できても,集中力を欠けばよい効果は得られません。私は,勉強だけだとかえって時間を弄んでしまう悪い癖があったので,朝の3時間はアルバイトをしました。時に残業もしましたが,それは心身のリフレッシュにもなったと思います。

◆スランプ脱出方法

 計画作りや環境作りができても,長期間ののりですので,スランプに迷い込むこともあます。スランプ脱出方法として,丸一日勉強休むことで,モチベーションの回復を図るとう方法もあります。しかし,私の場合は,そ方法ではどうしてもスランプ特有の憂鬱な気持ちを拭い去ることができませんでした。  そこで,スランプとはいえ,私は少しでも律に触れる方法を試みました。問題演習はせずテキストや条文,問題集の解説などを肩の力抜いて読んでみるだけでしたが,不思議とや気が復活しました。もっとも,直前期は緊張ほぐすため,一回だけ映画を観に行きました
極度の緊張は,スランプの素だからです。

◆直前期に向けた勉強を

 計画作り,スランプ脱出方法の確立とともに,直前期をいかに迎え撃つかも重要です。
私は,以下の5点に注意しました。
まず,得意科目の徹底化です。得意科目を徹底的に得意にすれば,直前期の勉強を優位に進めることができます。私は,民法と不動産登記法を得意分野にしました。
不動産登記法の出題傾向として,申請書を書くだけでなく,民法と関連した論証問題が出題されるようになりました。かかる問題に対応するべく,択一題も「規範定立・あてはめ・結論」という,3段論法的な発想で理解するように努めました。単に正解して終了するのではなく,理由づけを考え,論証のトレーニングをしたのが効果的だったと思います。
次に,基礎力の強化です。主要科目は,時間をかけて理解していくことになるので,十分な対策が必要ですが,長く時間をかければ絶対的有利になるとは限りません。基本事項を,自分のものにすることが重要です。
司法書士試験には難問も存在しますが,試験問題全体に占める割合は4,5問程度です。この事実が,基本事項をいかにマスターするかが大きな決め手になるということを物語っています。私が繰り返したのは,参考書や受験雑誌を利用して知識の充足・定着を図り,何度も過去問などを解き,条文を読むという単純作業でした。
3つ目の対策として,私は,5つの肢1つ1つを○×問題として解くのが効果的だと思います。それを,マイナー科目・苦手科目を含めすべての科目で行い,次に,過去5年分の問題を体系別ではなく,通年で解きました。それらを通じ,自分の基礎力を分析することもできますし,実際にできました。
さらに,多くの知識を覚えても,細かい論点を忘れ,それが失点に結びついたりもします。つまり,常に多くの知識を脳に閉じ込めておくのは困難ですし,仮りに忘れても,その分だけ思い出せばよいのです。
知識の定着化の他に必要なことは,忘れたことを直ぐ思い出す瞬発力だと考え,知識を総確認できるノート作りや同種のテキストの利用を続けました。それが精神的支えとなり,直前期の不安を緩和することができたと思います。
最後に,自分の失点原因を探るのも重要です。私は,問題を前に混乱したときの対処方法,時間配分,誤答の態様などを分析したり,まとまった時間を設けて苦手な問題を解くなどの工夫も試みました。過去問検討・分析に気持ちを注ぐばかりではなく,自己分析も大切だと思います。

◆最後に

 司法書士試験は,その難度のためか,孤高の丘に立ち,独りきりで勉強をする人もいます。
しかし,長期スパンを駆け抜けるためには,仲間との支え合いも必要になると思います。仲間と情報交換をすることで,スランプ脱出の方法などを韵むこともできますし,私の場合は仲間と精神面で支え合えたからこそ,難関を突破できたと思っています。
最後になりますが,皆さんもどうか受験という長い道のりを,精いっぱい駆け抜けて下さい。