宅建主任者の活躍する代表的なフィールド
宅建主任者が活躍するフィールドは,宅建業者です。宅建業者は,次の3つの業務を行います。
- 不動産の売買・交換を自分で行うこと
自分の所有する土地を分譲する不動産会社や大規模なマンションを建設し,直接,顧客に販売するマンション業者が該当します。
- 不動産の売買・交換を代理・媒介すること
マンションなどの不動産の所有者から売却を依頼された不動産会社が該当します。いわゆる「仲介」のことです
- 不動産の賃貸借を代理・媒介すること
アパートやマンションの所有者から借り手を探してほしいと依頼された不動産会社が該当します。所有者(貸主)と借り手(借主)の仲介を行います。
〜自分ブランド作りに最適な資格
また、前述の「宅建業者」のほか,以下では宅建主任者資格を取得することによって,どのような活躍のフィールドがあるかを,〈1〉独立編,〈2〉業務パワーアップ編(スキルアップ,転職・就職),〈3〉権利資格のファーストステップ3つの分野にわけて簡単に紹介します。
〈1〉独立編−独立開業のための資格 不動産取引の専門家として,独立開業をめざす人には最適の資格です。独立開業をするための開業資金は,他の仕事に比べて比較的少額で済みます。このため,独立するには適した資格といえます。特に,定年で退職した後に新規事業をはじめようと思っている方には,おすすめの資格です。
〈2〉業務パワーアップ編−重宝な資格
ここでは,以下の4タイプの皆さんにおすすめできます。
- 不動産業界の方〜もちろん必須の資格〜
不動産の売買・交換・貸借の仲介(代理・媒介)などを業務とする会社では,当然,宅建の知識が必要不可欠になります。また,不動産取引で契約を締結する際の重要事項の説明などは,宅建主任者以外行うことができません。しかも,宅建業者は,その事務所の従業員5人に1人以上の割合で専任の宅建主任者を置かなければならないので,宅建業を営む企業にとっては宅建主任者がどうしても必要になります。いいかえれば,宅建主任者資格がないと十分に活躍することができません。
- 金融業界の方〜威力を発揮する資格〜
銀行や信託銀行,生保や損害保険会社など,金融業界でも宅建主任者資格は,威力を発揮する資格です。例えば,融資の際には,不動産が担保になり,この不動産の評価が必要になります。また,信託銀行で扱う遺言などでも,不動産が主要な相続財産となります。
こうした不動産の取扱いでは,宅建主任者資格が重宝となります。ある都市銀行では,支店長になる必須条件として宅建主任者資格をあげています。
したがって,今日では,金融業界でも宅建主任者資格が重要な資格になりつつあります。
- その他の一般企業に勤務する方
不動産業界以外の方でも,宅建試験を受験される方は多くいます。一般企業にとっても, 工場や店舗,本社,社宅などの不動産は欠かせない生産要素です。
つまり,不動産会社でなくとも,宅建の知識は日常業務のなかで常に要求されています。業界を問わず,宅建主任者資格は幅広く求められています。
- 就職・転職の絶好のツール
毎年およそ18万人もの人が受験する宅建主任者試験は,もっとも人気のある資格の一つです。宅建主任者資格の人気は,その社会的ニーズの高さと活用範囲の広さにあるといえます。
宅建主任者資格は,不動産業界はもとより,金融業界においても,日常業務のなかで常にその知識が要求される必須の資格です。また,一般企業のなかでも,宅建主任者は極めて重要な役割を担っています。したがって,今後転職を考えている方,就職活動を控えた学生さんにとっては,この宅建主任者資格は非常に有力なツールとなるでしょう。
〈3〉「権利」資格のファーストステップ 宅建主任者試験の主な試験分野には,民法をはじめとする「権利関係」や「法令上の制限」があります。この「権利関係」や「法令上の制限」の分野は,同じ法律系の資格である行政書士,司法書士との共通点が多く,試験形式も四肢択一のマークシート方式であるので,他資格試験の登竜門ともなっているようです。
また,受験資格に制限がなく,誰でも受験できるので,これから「権利関係」の法律を学んでいこうとする人にとっては,最適の資格といえます。宅建主任者合格を目指すことで明確な目標ができ,計画的に学習を進めることができるでしょう。
また,宅建主任者資格と関連する分野が多く,同じ不動産系の資格試験であるマンション管理士や管理業務主任者とのダブルライセンス・トリプルライセンスも夢ではありません。
このように,宅建主任者資格は,幅広い活躍フィールドが想定できます。宅建主任者として不動産のエキスパートとして活躍するほか,この資格をステップとして次のステップに進むこともできます。
宅建主任者資格は,まさに自分ブランド作りのファーストステップといえます。是非,読者の皆さんに宅建主任者資格の取得を心からおすすめします。
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