●書籍概要
本書は「鉄則ぱ司法書士不動産登記書式ハンドブック」の姉妹編として出版するものである。本書では、登記申請書の記載事項を一覧するに留めず、およそ会社法の手続きのプロセス、要件、効果等についても、一覧として示すこととした。なぜなら、会社法の手続きは、時間的経過を伴う複雑なものであり、登記申請書の記載事項、すなわち手続きの結論のみを表示しても、あまり意味がないと思われたからである。商業登記の記述式にとって重要なのは、申請書のパターンよりも、実際の手続き、したがってそれに伴う、申請書の添付情報の要否が重要なのである。ここで、添付情報の提供の根拠となる
実体法上の手続きを示すことが必須であると考え、そのコンセプトのもとに本書を編集した。会社法の下での商業登記の申請は、会社の機関構成、機関設計によって手続が異なり、多種多様な結論が生じる。例えば、募集株式の発行についても、取締役会設置会社と取締役会非設置会社とでは基本的にその決定機関が異なり、さらにその募集手続自体も公募によるもの、株主割当によるもの等異なる手続がある。また役員変更も同様である。
そこで、募集株式の発行に伴う変更、役員変更等種々のケースがあって、各種のケースに従って、それぞれの登記申請書の記載事項が異なる場合、それぞれを一覧することも示した。