書籍概要 |
●答練の中から商業登記記述式10問を厳選し、洗練した上で掲載した実践的問題集です |
はしがき
司法書士試験に合格するためには,「膨大な情報を整理・集約」し,「的確・迅速に表現」する能力が不可欠です。これは,一朝一夕に身に付け得るものではなく,訓練によって培う必要があります。
まず,「膨大な情報の整理・集約」は,『コンプリート』シリーズ(小社刊)をはじめ,インプット用教材として市販化されたものが多く見受けられるため,自ら対策を講じることもある程度は可能でしょう。これを効率的に行うために,受
験指導校を利用されるのも有用と考えられます。
次に,「的確・迅速な表現」は,演習(アウトプット)を繰り返すことによってはじめて,自らの血肉とすることができます。しかし,繰り返すべきアウトプット用教材は,インプット用教材に比して充実しておらず,受験指導校の答案練習会によって代替されているのが実状です。特に記述式の問題について,その傾向は顕著であるといえます。
そこで,小社では,司法書士試験において合否を大きく左右する商業登記記述式について,本試験を見据えた演習を行うための問題集を刊行することと致しました。小社の受講生にのみ演習の機会を提供するのではなく,広く受験生に情報を公開すべきであるとの理念に基づきます。
そのため,収録した10問は,小社で開講している答案練習会(実戦答練等)の中から,本試験あるいはそれ以上の水準にある良問を厳選し,洗練したものとなっています。
本書を利用されるすべての受験生が,本試験において遺憾なく実力を発揮し,合格を果たされることを祈念いたします。
2008年8月
東京法経学院 出版部
本書の効果的活用法
1 問題について
問題文の形式は極力本試験に沿うものとし,実質も合格を見据えた高度な内容となっております。
既習者はもちろん,未習者の方であっても,まずは時間を計った上で問題を解答してみてください。仮に思うように解答することができなくとも,気に病む必要はありません。解答例に照らしどこが至らなかったのか,そこを正確に把握し,理解に努めることが出発点となります。
また,各問には答案用紙がついていますので,拡大する等してご利用下さい。
2 解説について
解説は,以下の構成を採っています。
1 出題テーマ
学習の指針として,当該問題で問われる事項を端的に示しています。
2 事案の概要
当該問題の事案を時系列で表しています。
3 解答例
模範解答例を示しています。
4 解答へのアプローチ
出題テーマで掲げた事項を詳細に解説しています。網掛け部分の記述は,論点に関し,当該問題の事案にあてはめた具体的な記述となります。
5 答案作成のポイント
解答例に記載した(注)に対応し,答案作成の際のポイントを明示しています。
6 配点
各問とも26点満点とし,配点を明示しています。採点にあたっては,減点のポイントで指示がない限り,誤った箇所につき1点ずつ減点してください。
7 平均点・得点分布
答練での結果を示し,学習進度確認の便に供します。
3 編集基準日
本書に収録した問題及び解説は,2008年4月1日現在の施行法令に基づいています。 |