司法書士コンプリート憲法|司法書士書籍|東京法経学院





司法書士 受験用書籍

司法書士コンプリート憲法

ご注文方法お買い物カゴを確認する
外部販売サイト読者レビューはしがき



●書籍概要


外部販売サイトのご案内

単品注文(5,000円未満)なら送料が断然お得です!

楽天ブックスセブンネットショッピングAmazon紀伊國屋書店
※各講座・直販教材と一緒にお申込みされる方は当ページ「買い物カゴへ入れる」ボタンより直販にてお申込みください。


読者レビュー


はしがき

本書は,憲法を理解し,司法書士試験の短期合格を目指す受験生のために書かれた憲法の基本書であり,次に述べるような特長がある。
1.初学者,独学者にも理解できるように書かれていること
今までの司法書士試験の基本書は,予備校の講義を受けることを前提に書かれていたり,記載が不親切であったりで,初めて学習する者がそれだけで理解できるようなものではなかった。逆に,わかりやすく書かれているものは入門的なもので,到底司法書士試験の難関に立ち向かえるだけのレベルには達していないものばかりであった。
本書では,司法書士試験に合格できるレベルを保ちながらも初学者の方が憲法を理解できるように噛み砕いて説明した。わかりにくいところには《講義》のコーナーを設け,私が普段の基本講義で説明しているように記述した。あたかも講義を聴いているかのように理解できるであろう。また,講義の板書風の図を多様したのもこの趣旨である。

2.憲法の本質論(基本)から説明がされていること
憲法のテキストというと,条文知識,判例知識等が単に羅列されているだけのものも目につくが,それでは憲法の一貫した考え方は身に付かず,一つひとつの知識がばらばらのため,かえって学習に時間がかかってしまう。
本書では,憲法の本質にさかのぼり,そこからすべての説明を有機的に関連づけ,説明を一貫させた。これにより,自然と憲法の考え方が身につき,知識の一つひとつがつながりあるものとして理解できるので,理解しやすく,忘れにくくなるだろう。また,そのことで,学習の効率化を図ることができ,民法や不動産登記法などの重要な分野に力を回すことができるだろう。
合格するためには,最終的には,条文や判例などの知識を記憶していく必要があるが,その条文はどのような趣旨のものか,その判例はどのような理由で出されたものか,受験生が納得できるように基本から説明することは講師の義務であると思う。納得していない知識などは到底覚えることはできないし,記憶にとどめることはなおさらできない。なお,これは,手続法でも同じことである。手続法もその手続が採用された理由があるはずであるし,全体として意味のある体系ができているはずであるから。知識を基本や本質から説明せず,受験生が納得できるような状態を作らずに,ただ知識を提供して覚えろというのは,講師や予備校の職務怠慢であると思う。いや,到底覚えられないような形で提供しておいて,努力が足りないから覚えられないのだと受験生を責めるのはある意味詐欺であるとさえ思う。

3.司法書士試験のために必要十分な情報量が提供されていること
いくらわかりやすく書かれていても,合格レベルに達していないのでは意味がない。また,情報が多すぎては短期合格のためにはかえって害になるだろう。
司法書士試験においては,平成15年から憲法が出題されるようになった。まだ歴史が浅いが,その過去問を徹底的に分析し,司法書士試験に合格するために必要十分な情報量を提供している。また,本試験の過去問はすべて収録している。
本書は合格への最短距離を示したものであり,安心して使ってほしい。

本試験を分析すると,憲法の出題においては,判例知識に関する問題,見解問題,条文知識に関する問題からの出題がなされている。これらの出題に対して,本書は以下のような対策を用意している。

判例知識に関しては,本書では,[判例]という囲みを作り,出題可能性がある判例を取り上げた。まず,この囲みの中では,[事案]として,どのような事件であったのかを記載した。ほとんどの基本書にはこの部分はないと思うが,どのような事案のもとで出された判例か分からなければ本当の意味で判例は理解できないし,また,事案が書いてあることで判例が記憶に残りやすいと考えたからである。さらに,憲法はマイナー科目であり,時間がかけられないだろうから,この一冊に知りたい情報を集約しようとした意図もある。次に,[判旨]が記載されているが,これが重要部分である。この部分は判例をわかりやすく書きかえるのではなく,なるべく原典の表現を尊重した。試験には,判決の表現がそのまま出題されることもあり,そのような場合には,その表現に触れていることは重要だからである。大変だと思うが丹念に読み取ってほしい。その代わり,[判例]の囲みの後(または前)には,その判例の意図するところをわかりやすく説明した。[判旨]の読み取りが困難な時には,そちらを先に読み,ポイントをつかんでから,[判旨]に戻ることも一つの方法である。
次に,見解問題についてである。民法の見解問題の場合には,現場思考が必要なことも多く,私も,その解法については指導しているが,憲法の見解問題は,論点の知識を知っているかどうかが勝負を分ける。したがって,本書では,出題可能性のある見解については,できる限りとりあげた。憲法の見解問題は,ほとんど本書で説明した論点から出題されるはずであるから,丁寧にその議論の出発点,考え方の筋道を理解してほしい。

そして,条文知識の出題についてである。まず基本は,本書を読むときには,条文を引くことであるが,本書でも,必要な条文は引用した。また,数字や日数などを覚えなければならない条文の問題も付録として付けたので,利用してほしい。

最後になるが,本書は,司法書士試験の憲法において,必要となるものがすべて提供されている。憲法に関しては,これ一冊で十分といえる。あとは,問題集や答練で知識をブラッシュアップしていけばよい。

司法書士試験は難関であり,受験生はそれぞれの思いで挑戦していると思う。非力ではあるが,そのような受験生の一助になればとの思いで本書を執筆した。本書を徹底的に利用して,短期合格を勝ち取っていただきたい。健闘を祈る。

著者 森山和正