平成20年度土地家屋調査士合格者座談会「合格」を語らう|土地家屋調査士試験|東京法経学院

答練120%活用法  平成20年度土地家屋調査士試験合格者 力石 洋平

 1.総論

 調査士本試験まで,残り5ヶ月程となりました。
 おそらく,本年度試験の合格を目指されている大半の方は基礎学習を一通り終えられ,過去問もチャレンジされたことでしょう。
 これからの約5ヶ月の間,どのような勉強をするかで,合格を勝ち取れるのかが決まるといっても過言ではありません。
 別な言い方をすれば,これまで行った基礎学習や「ベストセレクト答練」(東京法経学院)等で思うような成績,結果を出せていない方も,今後の勉強いかんによっては,十分に挽回できるということです。
 では,どのような勉強をすべきなのか。それは,なるべく本試験に近い問題を数多くこなしていくことです。そうやって実際に問題を解いてみると,基礎学習時にははっきりしなかった知識の欠落,間違いに気づくはずです。それらを浮き彫りにして,一つ一つ克服していくことが,本試験合格につながっていくのです。これがインプット(基礎学習)だけでは認識できない,アウトプット(答案練習会)の重要性です。
 そこで,これから始まる答案練習会(以下,答練と略称)を効果的に活用していただくために,いくつかのアドバイスを差し上げたいと思います。

 2.各論

(1)答練を有意義なものとするためには復習を忘れずに
 答練は本試験と同じ試験形式ですので,具体的な予習ができません。東京法経学院の実戦答練でいえば,択一に関しては最初の6回は大体範囲が決まっていますが,それも大まかなものにすぎません。また,答練を何回か受けてみて,次回はだいたいこれが出るかなとヤマをかけてみても,本試験ではないので,あまり意味のあることではありません。いわば,これまでの基礎学習が予習であり,また1回1回の受講の復習が次の予習となるのです。ですから,答練の学習はおのずと復習に主点が置かれます。
 学習のおおまかな流れは次のような感じでしょうか。
 @試験→A講義→(添削答案と成績表の受け取り)
 これだけでも,受かる方は十分に受かるでしょう。しかし,より効果的に答練を受講し,合格を確実にするために,次のような流れで学習していただけるとよろしいかと思います。
 @試験→A答え合わせ→B小予習→C講義→D復習→E解説書の整理
 以下,その具体的内容を述べていきます。

(2)本試験のシミュレーションとしての答練
 答練をはじめて受けられた方の中には,その雰囲気とレベルの高い問題に戸惑う方もいらっしゃることでしょう。
 試験時間2時間半という同じ条件のもと,多くの受講生が同じ問題を時間内に解く,という緊張感に圧倒されてしまうかも知れません。
 しかし,ご心配は要りません。本試験もやはり同じような緊張感にみまわれるでしょうが,それに慣れるための答練ですから。終了時間を気にしながらも,ミスなく正確に解答を導き出すのです。
そのためにも,毎回の答練は本試験と同じ気持ちで臨んでください。
 調査士の試験は,択一,そして書式と二種類に大別できますが,問題を解く順番も,受験生の方によっては異なることと思います。
 例えば,択一では,最初の3問はおそらく民法でしょうが,民法が苦手な方は,これを飛ばして4問目から手をつける方法があります。また,択一が終わってから土地を飛ばして建物,または区分建物の書式にむかう方法。マークシートについても,問題を一問解くごとにマークをつける方と,全部解いてからつける方それぞれいらっしゃると思います。
 順番についてはそこまでこだわることはないと思いますが,難しい問題・苦手な問題に気をとられて時間不足に陥ってしまう方は一度考えられてもよいかもしれません。
 それから,試験中の時間配分もご自身でチェックされるとよいでしょう。択一,土地,建物・区分建物のそれぞれの問題が終わった時刻を問題冊子に記入しておきます。もちろん,毎回の問題内容は一律ではないので,時間にはバラつきがでるでしょうが,自分の得意,不得意をつかむ一助となるでしょう。
 次に,択一を解いているときに気をつけていただきたいのは,一つ一つの問題をどこまで理解しているのか,ということを確認しておいてほしいことです。
 具体的には,自分が問題文を読み,まったく不明だったところ,また微妙と思ったところにチェックをつけましょう。(ただし,○×でこのチェックをつけてしまうと,本来の解答と混同してしまうので,文頭に“check”と書き込むなど,他の記号がいいでしょう。)
 この癖をつけておくと,その後の作業がメリハリをつけて行えます。
 書式は,答え合わせをするために,求めた座標値,地積や床面積等をさっと書き込んでおきましょう。添削答案が返却されるまでには2,3週間かかりますので,なるべく早く間違った点を確認するのは,効率のよい復習のために必要なことです。
 それから,調査士試験は時間との戦いですが,あせらずにケアレスミスに気をつけましょう。小さなケアレスミスが大きな減点につながることもしばしばありますので。
 そのためにも,択一ではなるべくマークシートのつけ間違いがないか,今一度チェックをしてください。また書式では,主要な基準点,座標値,建物では床面積にからむところなど,点数が大きいところや,1つのミスが連鎖的に響きそうなところは,最低2度は計算を行うのが大前提です。

(3)解説講義を受けるまでのワンポイントアドバイス
 さて,2時間半に及ぶ試験を集中して受けた後は,解説講義までの休み時間は勉強とは別のことに使いたくなるのが心情かと思います。通信で受講されている方は,解説書到着の後,肢ごとに答え合わせと解説分を読むのを同時に行われる方もいるでしょう。
 しかし,講義(解説書熟読)の前にぜひやっていただきたいことがあります。それは,解説書を受け取られたら,ざっと答え合わせをし,不明な箇所や間違ったところを把握するということです。 これを行っておいて講義を受けるのとそうでないのとでは,受講中の意欲,またその後の記憶に差が出ることと思います。
 ただし,休みを全く取らずに,1時間フルに行うというわけではありません。解説書の見開き1頁目に択一の全部の答えがあり,これと書式の一部分だけチェックすればよいのです。書式は座標値,地積や床面積などわかるところしかできないですが,これで必要にして十分。10分くらいで済むでしょう。
 また,時間内に解けなかった問題があれば,できれば講義前に解いておきたいですが,そこまでできなければ先に講義を受けてしまってもかまわないと思います。もちろん,講義の後に挑戦して,解いておきましょう。
 余力がある人は答え合わせの後,間違った問題の中で,気になる肢の解説を読むか,また,合っていた問題の中でも,不明だったポイントを確認してきます。この時点では六法まで広げなくてよいでしょう。
 ここまでできれば,自分の中でメリハリをつけて講義(解説書)に望めるはずです。いわば答練の小予習といったところでしょうか。ひととおり終わったら,解説講義に集中して臨むためにもきちんと休んでおきましょう。

(4)解説講義の活用法
 答練の会場は盛況です。どの教室も席はすぐに埋まってしまい,開始時間ぎりぎりになると,空席を見つけるのが難しいくらいです。しかし,試験時間が終わり,しばらくすると,ちらほら空席が目立ってきたりします。あくまで憶測ですが,解説講義を受けずに帰られる方の多くは,仕事の都合などといった事情をのぞけば,再受講の方なのではないでしょうか。
 しかし,再受講の方こそ,きちんと解説講義を受けられるべきです。ご存じのとおり,法律はたびたび改正されます。現在最新版である21年度調査士六法でさえ,8月の本試験に適用される試験範囲の4月1日時点で施行されている法令等には足りない部分があるのです(なお,21年度版調査士六法をお持ちの方は,追録が発行されますので,同梱のハガキでの請求をお忘れなく。)。
 現に,この1,2年の間にも,オンライン申請のための登記令附則の追加や登記記録の保管期間など,重要な改正が行われています。
 もちろん参考書も改正には順次対応していますが,法律は「生き物」ですから,どうしても対応が追いつかない部分もあります。試験問題が改正点から出題されることもしばしばありますので,解説講義もその点は気を使っています。ですから,解説講義をきちんと受講し,常に最新の情報を仕入れるようにしてください。
 さて,解説講義の受講の仕方ですが,ただなんとなく講義を聴くのではなく,先程の答え合わせや小予習を行ったポイントを意識しながら受講することを心がけてください。講義中は,午前中の試験の疲れもありますから,集中力を失いがちになります。自分でチェックした部分の講義は,特に耳を傾けるようにし,受講姿勢に多少でもメリハリをつけるようにしましょう。
 講義は担当講師ごとに特色のある講義を行っています。講師によって解説の仕方,内容は異なるものの,どの講師も重要な点は押えて講義しています。講師が特に時間を割いて講義していた箇所は頻出事項の可能性がありますので,よく復習してください。
 また,通学で受講されている方は,解説講義は講師に直接その場で質問できる絶好の機会です。
疑問に思ったところがあれば,恥ずかしがらずに質問するように心がけて下さい。
 あと,講義はすべて受けるようにしてください。もし欠席しても(東京法経学院では)ビデオ補講が受けられますので,ぜひ活用しましょう。

(5)答練の効果的復習法・解説書の活用法

@ 復習について
 答練・解説講義は受けっぱなしではいけません。しっかりと不明な箇所や間違ったところを復習しましょう。それも,できるだけ早くに繰り返したほうがいいです。
 皆さんもご存知のとおり,記憶は時間が経つにつれて薄れていきます。せっかく答練・解説講義で得た知識を忘れないためにも,できれば答練・解説講義を受講したその日のうちに,もう一度確認しておきましょう。
 復習の仕方は,皆さんそれぞれだと思いますが,ぜひともやっていただきたいことがあります。それは,答練で解いた問題に関連する問題を解くということです。択一,書式とも過去問集や,基本問題集が発行されていますので,ぜひそれらを活用してください。そうやって繰り返し同じような問題を解いていくことで,自分の弱点をつぶしていきます。
 また,民法についてですが,調査士試験に民法が出題されるようになってまだ日が浅いので,調査士試験の民法過去問題はそれほど多くはありません。出題数は3問ですが,民法自体範囲が広く,どこから出題されるかはまず予想がつきません。民法に限っていえば,過去問題のみをやっていたのでは本試験には対応しきれないでしょう。
 答練の民法出題数は総計30問以上に上ります。もちろん講師陣が本試験に出題される可能性のある問題を選りすぐっていますので,これと過去問題を組み合わせて民法の学習に活用されることをおすすめします。

A 解説書の活用(整理)について
 さて,答練の解説書をひととおり読んだあと,皆さんどうしていらっしゃいますか。棚に並べる,ファイルの中に閉じこむなどして満足してしまってはいませんか。それではまさに「宝の持ち腐れ」です。答練は,合格の必要な情報の宝庫です。そのすべてが,本年度の調査士試験を目指して作成されており,皆さんを合格へと導く道しるべとなります。
 解説書には,試験にでた問題がそのままの状態で収録されていますので,コピーをとれば何回でも行うことができます。
 ただ,答練は回を重ねていくにつれ,資料がどんどんたまってしまい,例えば建物区分登記が弱点と気づいたときに同じ問題をやろうと思っても,探すのに手間取ってしまいます。
 そこで,試験直前に総復習したい時の為に,問題を整理しておくことをおすすめします。
 整理の仕方のひとつは,チェックシートを作ることです。A4の紙か,ノートの1ページに答練全12回+模試2回の択一と書式で出題された問題の内容を記入し,あとは書式でどんな間違いをしたかをさっと書いておくだけです。各回は一行でまとめましょう。択一は各20問ありますので,そのなかで,特に間違えて重要と思った問題を2,3問書いておきましょう。書式は2問ですので,土地,建物,区分の別と,申請の内容を(相続,代位,嘱託など特殊だった場合それも)書き込んでおきます。間違いについては,自分がよく間違えるパターンがあれば,そこを重点的に(原因日付とか,ケアレスミスとかを)書いておきます。これにより,だんだん解説書がたまっていったとしても,効率良く問題を探し,復習を行えるはずです。
 もう一つの整理の仕方は,解説書を1つの問題ごとに分解し,単元ごとにファイリングすることです。東京法経学院の答練の解説書は,択一,書式とも背から切り離せば,問題ごとに分けられるようになっています。(解説書の表紙にそれが記載されています。)これで切り離し,民法,各不動産登記法,調査士法ごとに分け,書式も土地,建物,区分ごとにファイリングします。これで,答練の問題をもとにした参考書の出来上がりです。
 もっとも,切り離してまとめると,単元ごとの検討はしやすいですが,試験形式での復習が難しいといったデメリットがあります。それぞれ自分にあった整理をし,効率的・効果的な復習にお役立てください。

 3.おわりに

 以上,私の経験をふまえた答練の活用法についてお話しさせていただきましたが,答練を受講するにあたり留意していただきたいことがあります。
 それは,答練はあくまでも本試験の「練習」にすぎないのであって,本試験そのものではないということです。
 たとえ成績が思うように上がらず,いつまでたっても成績上位者になれなかったとしても,決して最後まであきらめないでください。本試験で上位の成績が取れればよいのです。

 最後になりますが,答案練習会を効果的に活用し知識を修得することによって,本年度試験の合格を確実なものにしてください。

 

 答案練習会(答練)とは?

基礎学習修了者を対象にした,問題の解答(模擬試験)と解説からなる問題演習講座です。大勢の中で時間内に解答する練習を繰り返すことによって,合格に必要な答案作成能力を養います。
提出した答案は添削ののち返却され,成績は全国の答練受講者の中での順位として出されますので,自己の実力を正しく判定することができます。

東京法経学院では,例年2月から3月までは,近年の出題傾向を分析し,そのレベルに合わせた「調査士ベストセレクト答練」を開講し,4月からはよりハイレベルな出題も含めた「実戦答練」が始まります。