合格体験記「通学講義を軸にして生活パターンを組む」|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

「通学講義を軸にして生活パターンを組む」

体験記

上野剛 さん

 


 体験記

上野剛 さん(東京都) 平成21年度合格

◆はじめに

 年齢48歳。現在の職業は全くの異業種。記憶力に自信がなくなりつつあり,老眼も出始めた昨今でありましたが,何か手に職をつけようと思うにあたり,もともと地図を眺めるのが好きで図面を描くことにも興味があったので,土地家屋調査士に挑戦することを決意。そして今回3度目のチャレンジでようやく合格することができました。私の体験が,これから受験されようとされる方々に少しでも参考になれば幸せです。

◆3年間

 調査士試験は,比較的範囲が狭く,出来上がった書式解答をみるとそれほど複雑ではないという印象から,易しい試験だと思っていたのが大間違い。鼻息荒く「やるからには一発合格」と息巻いていたのですが,蓋を開ければ択一は細かい論点まで突っついてくるわ,書式は日々のトレーニングに裏打ちされた熟練が必要だわ,択一・書式共通して問題には引っ掛けだらけだわ,それを踏まえても瞬時に判断できる瞬発力がないと時間が足りないわと,何と見通しの甘かったことか。
1年目は測量士補も目指していたのと,業界周辺知識がまるでなかったこともあって,実力的にも合格レベルには到達しなかったのでしょう。結果は,択一足きりであえなく轟沈。
2年目は合格レベルまでの実力は何とかっけたと自負していたものの,書式の罠(土地の無方向トラバースの変形版)にまんまとはまって書式足きりであえなく轟沈。そんなの知らんぞ,業界関係者ではないと無理なのかと激しく落ち込んで2〜3ヶ月いじけておりました。
ただ,なにせ乗りかかった舟だったのと,結構調査士の勉強が楽しかったので,次こそはと一発奮起。
そして3年目。東京法経学院実戦答練講座に通学しながら,択一書式とも問われ方次第でまんまと出題者の罠に引っ掛からないよう,出題パターンや要点をMy Noteに記していく作戦を立てました。また,学院で配布される「不動産法律セミナー」で測量手法などの業界知識や他の資格試験で問われている問題で参考になるものも書き留めていきました。

◆生活パターン

 同じ受験生から刺激や情報を得るためにも,また1週間のペースを掴むためにも学院への講義通学を軸として生活を組み立てました。この1年間のパターンを振り返るとざっとこんな感じでした。

◆注意した点

 書式はとにかく日々コツコツとなるべく多くの問題を解いて,効率的な作図の仕方,メモリを有効活用した電卓の操作方法などを体に染み込ませることが重要です。
土地書式の場合,解法パターンはある程度決まっており,いかに問題のポイントを把握し,解法パターンを時間内に閃き,正しく解答するかが勝負です。
(とは言うものの09年度本試験での面積按分による座標値算出は家に帰ってから閃きましたので悪しからず!でも作図はきちんとやりましたよ。座標値が出なかったので一部辺長はでたらめでしたが…(^ ^;))
調査士試験はとにかく時間との勝負という要素が大きいので,解法が閃かなかったり,閃いたとしても持すでに遅しという事態が往々にして起こります。私も答練で作図ができずにタイムアウトになったことが間々あったのですが,そのとき思いっきり減点されたことと,コメントにボロクソ書かれたことを機に,それ以降作図に要する時間を差し引いて時間配分するトレーニングを重ねました。
建物書式も同じ。各種申請における登記原因およびその日付欄の記入パターンや,建物図面を複雑にした問題への対処方法などを繰り返し,作図における所要時間を差し引いた時間配分を染み込ませました。09年度本試験のミソでありました「階数の認定」には,周辺知識を「不動産法律セミナー」などで拡充させておいたので,これはもらいました(^^)v。
択一は最終的には条文をいかに正確かつ深く理解しているかが重要ですが,結構解説の内容は解っていても,いじくそ悪い引っ掛けにまんまとしてやられることが多かったので,間違ったり迷わされた問題は,My Noteに記していき,通勤電車の中で読み込みました。したがって,特に暗記という作業は直前期以外行なわず,論点を整理しながら点ではなく線,線ではなく面というように体系だてることを重点的に行ないました。また,択一演習は電車の中だけと決めていたので,自宅では専ら書式とMy Noteの作成・整理しかしませんでした。

◆合格者と合格レベル

 調査士試験は,時間に制限があり,いかに多くの問題を正確に即答・閃くことができるかの鍛錬が問われることで難易度が急上昇する類のものと思います。それだけに先ずは自分のレベルアップが必要なのはいうまでもありません。
そして本試験。どの資格試験でも同じだと思いますが,本試験というのは振り落とすことを目的に作られているようです。それだけに引っ掛けトラップの多いこと多いこと。合格レベルにあっても,出題者の仕掛けた罠にまんまとはまってしまっては元も子もありません。その罠をいかに見抜くかの眼力は,やはり様々な種類の問題を解いてみないとつかないものと思います。
その点,学院に提供いただいた各種の問題は,とても有益でした。
そして合格者の種類はずばり次の3種です。1つ目は当然に合格する実力レベルの人。2つ目は怖いもの知らずで素直に勢いのあるビギナーの人。そして3つ目は一部罠にはまっても,できるだけ最小限に止めて,着実にできるところを得点して粘りに粘った人(私の場合はどうやらこのケースです)。調査士試験の合格率は7〜8%ですが,こう考えると落ち着いて勉強を進めることができましたし,学院の答練がいたずらに問題をややこしくするだけのものではなく,マスターすべき事項がすっきりしていた点で大きな役割を果たしてくれました。

◆最後に

 東京法経学院の先生の皆様,事務局の皆様,そして受講生の皆様,しんどいときに励ましや刺激を与えていただいて,本当にありがとうございました。この合格は皆様のおかげなくしてありえないものであります。

【追伸】
 妻よ。健康面から精神面まで何から何まで支えてくれてありがとう。そして家族のみんな。しばらく家庭サービスをほっぱらかしにしてすいませんでした。でも,これからの方がもっともっと勉強しなきゃならないだろうから,その時はまたゴメン。