合格体験記「この試験は,とにかく基本が大切!」|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

「この試験は,とにかく基本が大切!」

体験記

 体験記

T.Yさん(静岡県)

◆『はじめに』

 私は,平成14年2月,一年間の海外留学から帰国したとき,無職でした。帰国後,10月までは行政書士と宅建の資格取得に向けて勉強し,それらの試験が終わった後,結果発表を待たずに調査士の学習を開始しました。
当時,調査士については,何を勉強したらよいのか,受験用器具として何が必要かなどは,まったく知りませんでした。たまたま運よく,東京に仲の良い友人がいたので,6畳一間のアパートに居候させてもらい,東京法経学院東京校の本科を受講することにしました。

◆初年度の学習法

 授業開始日まで,予習しようにもテキストに書いてあることが理解できず,六法など読めるわけもなく不安でした。
本科では,図面への線の引き方や数学などから学び始め,講義を受けるにつれ,少しずつテキストも読めるようになりました。とにかく,先を見ずに内堀先生に教えられたこと,言われたことをコツコツと勉強しました。
数学に関しては,多少得意であったことと,昔使った古い参考書があったので,それで公式を証明したり,復習したりしていました。
いま思うと,この数学の基礎からの理解が土地求積においては非常に重要で,後に大きな差が出てくると思われます。
私は,夜に行われる平日クラスを受講していましたが,講義が進んでいる土曜クラスにも参加可能と教えていただき,可能な限り指導校を利用し,とにかく講義の理解に努めました。
このペースで数ヵ月が経過すると,なんとかテキストの内容も理解し,過去問の教材である「データベース」や,「書式の合格テキスト」にも取り組めるようになってきました。他にはいっさい手をつけず,とにかくこの2冊を反復してやりました。
また,翌年の4月からは地元で就職することが決まっていたので,東京で勉強だけしていられるのも残り半年と思い,必死でがんばっていました。
一年目の答練では,解答のスピードが遅く,とにかく時間が足りませんでした。ただ,内容に関しては解説を読み,考え直せばだいたい理解できたので,答練をペースメーカーに,とにかくこれも繰り返しやりました。
そして8月,本試験に臨みました。
自己採点では求点,求積もでき,択一式・書式ともに8割で,合格を少しは期待していましたが,結果は不合格でした。
2回目の受験に向けて勉強を始めたのは,年が明けてからでした。

◆学習再開は1月から

 次に,私が2年目以降にとった勉強方法を紹介します。
9月から正月までは,オフとしました。とにかくそれまでがんばったので,勉強のことは忘れ,仕事,遊びに集中しました。
1月から3月までは,4月に静岡にも答練会場ができるとのことだったので,照準をそれに絞って合格テキスト・前年度の答練のおさらいをしました。長いこと勉強から離れていたので,電卓の使い方すら半分忘れていました。その代わり,新鮮な気持ちで取り組めたと思います。
4月から7月までは,再度,答練をペースメーカーにスピードや正確さ,時間配分も気にしながら,自分に足りないものは何かを考えながら勉強しました。この頃には,成績も比較的上位で安定するようになっていました。
そして,ある程度の自信をもって臨んだ2回目の本試験でしたが,土地の誤差配分であせりにあせって,試験終了時には「また次年度か」と,ガッカリして帰りました。結果は,求積ができなくても合格した人も多かったようで,ちょっと落ち込みましたが,「ここまできたら,もう引けない」と,決意を新たにしました。
2回の本試験を経験して感じたことは,試験内容はある程度の勉強で合格レベルにはなれること,取りこぼしが許されないところで失点しない限り合格できるであろうということです。また,合格ボーダーライン上での合否の境がはっきりしていないことも強く感じました。
そこで,ボーダー上の合否判定に不安を感じるなら,「トップクラスの点数をとれば必ず合格だろう」と思い,3度目に向けてがんばろうと思いました。

◆3年目も同じやり方で

 3年目も,正月まではオフとし,正月から3月までは記憶を呼び起こす復習をしました。
4月から7月までは,本試験を意識して答練を受けた結果,3回目の本試験ではあまり緊張せず,自信を持って受験できました。
そして2ヵ月後,筆記試験合格通知が届きました。「やっと受験の夏からも解放される」とホッとしました。
答練では,いろいろ試しました。本試験は2時間半の試験時間ですが,答練では2時間で解答するようにしていました。建物・土地・択一
式の順序で,解答したりもしました。
この方法は,1年目からやっていたのですが,メリットは,書式は時間が足りないと絶対解けないが,択一式は最後の手段でマークすれば当ることもあるということです。1回目の受験では,時間にまだ余裕が持てなかったので,この方法で臨みました。時間が足りなくて悩んでいる人は,試す価値はあると思います。
答練等で上位を取れるようになっても,ベースとなっていたのは,東京での本科の講義でした。私のよりどころは六法より,とにかくそのとき使用した書き込みされたテキスト,何度も復習した「データベース」と「数学」でした。
基本を理解していないのでは限界がありますし,講師にまともな質問すらできないと思います。とにかく基本の理解が,この試験においては何よりも重要だと考えます。テクニック的なものは訓練でなんとでもなります。
東京法経学院東京校・名古屋校・居候させてもらった友人には,本当にお世話になりました。