合格体験記-「なぜか?」と考え、「知る、わかる、理解する」学習|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

「なぜか?」と考え、「知る、わかる、理解する」学習

体験記

 体験記

M.H さん(宮城県)

◆仲間に支えられて

 私が調査士を受験しようとしたきっかけは,子供が成長するにつれ,会社員のままでは生活が成り立たなくなるおそれがあると感じたからで,独立開業をめざして受験を始めました。
独学での受験は難しいと思い,平成14年10月から,仙台で唯一通学講座のある仙台法律ゼミナールに通い始めました。
1年目は,同校から奨められた「不動産表示登記入門」から読み始めました。しかし,1回目は何が書いてあるのか,さっぱりわかりませんでした。そもそも漢字が読めませんでした。それでも,気にすることなく,一通り読み終えるよう努力しました。
2回目は,国語辞典で読み方や意味などを調べながら,読み込んでいきました。その結果,徐々にではありましたが,不動産登記法の全体の流れをめたような気になりました。教科書は,何回も繰り返し読んでいるうちに,大まかな内容がわかってくるものだと感じました。
3回目は,六法で条文を確認しながら読みました。この頃から,過去問を2,3回繰り返し解くことも並行してやりました。それをやることによって,試験で何が重要なポイントかを知ることができました。
書式の勉強は,「合格ノート」(東京法経学院)に載っているひな形を書き写すことから始めました。反射的に手が動くくらいに,レベルアップを図りました。
しかし,私は,午後の試験が免除となる2級建築士の資格を持っていましたが,測量の知識はまったくなく,土地の座標の計算,求積など,すべてにおいて無知でした。このとき手助けになってくれたのが,受験仲間でした。土地の計算の仕方など,すべてを教えてもらいました。
初めての受験では,時間配分がわからず,択一式で60分,建物で50分,土地に差し掛かったときは,残り時間40分しかありませんでした。択一式は16問正解できたものの,土地がまったくお手上げの状態でした。このとき,「この試験は時間との戦いである」と感じました。

◆時間短縮,答練を並行受講

 2年目以降の勉強は,1年目の失敗を踏まえ,時間を短縮する方法を考えて取り組みました。解答にかかる時間を短縮するため,まずは択一式の強化に重点を置きました。「枝葉のことばかり勉強するのではなく,木の幹となる部分が最も重要だ。受験生が見落としがちな部分だ」とおっしゃる橋元先生のご指導のもと,先生から出された問題を解きました。解いた後は,すぐに解説をみて勉強するのではなく,一つ一つの肢の根拠を六法と「合格ノート」で調べながら,ノートに書き出す作業を繰り返しやりました。正直,とてもつらい作業ではありましたが,その結果,問題の肢をみるたびに,問題の根拠は何か出題者の意図は何かがわかるようになりました。また,六法を常に開く習慣が身につき,条文確認によって基礎を得ることができたと思います。
前年の試験では,難易度の高い民法の問題が3問出題されたこともあり,3年目の試験は,民法で何点を取るかが鍵になると思いました。このため,東京法経学院の過去問をすべて解くことにしました。
また,平成17年4月からは,東京法経学院の実戦答練も受講しました。常に本試験のつもりで,時間配分を気にしながら問題に取り組みました。択一式問題を解くときは,一度問題文を読んだだけで内容を理解できるように訓練しました。何度も問題を読み返していれば,時間内にすべての問題を解くのは困難だと思ったからです。
おおよその時間配分は,択一式40分,建物40分,土地80分としました。そして,平日を利用して答練の復習を心掛けました。間違えた箇所はノートに書き出し,試験直前に効率よく復習できるようまとめました。書式については,求積ができなかった問題と,申請書の書き方を間違えた問題とを区別して,ノートに書き出しました。このノートのおかげで,試験直前でも効率的な勉強ができたと思っています。
3回目の試験当日,やるべきことはすべてやったと自分に言い聞かせ,試験に挑みました。予定通りに択一式40分,建物40分で解いた結果,土地を解き始めるときには残り時間は80分もありました。しかし,予想以上に問題が難しく,一瞬,頭が真っ白になりました。
この時,「自分ができないのだから,他の受験生もできるはずがない」と開き直り,できるところから確実に解きました。そして,最後の最後まであきらめずに,答案を仕上げました。
試験終了後,絶対に受かっている自信はありませんでしたが,今までにない達成感がありました。自己採点の結果,択一式19問,土地4割,建物9割正解で,合格でした。

◆最後に

 合格レベルまでは,2,3年あれば誰でも到達することができ,合格者と不合格者との差はほとんどないと思います。しかし,その小さな差を超えるのが意外と難しく,みんなができる箇所を確実に正解し,他の人より1,2点多く得点できれば合格できると思います。
受験生がよく「書式で失敗して不合格になった」といっていますが,それは,択一式である程度の高得点を取っていることが前提の発言だと思います。
また,必ず六法を使って条文を確認するほか,問題文に対しては,常に「なぜか?」と考え,「知る,わかる,理解する」の順序で勉強することが大切だと思います。いろいろな勉強方法があると思いますが,この点を頭に入れて勉強をすれば,遅かれ早かれ,合格のバスが必ず迎えに来ると実感しました。
最後に,自分一人の力での合格は無理です。必要不可欠なのは,受験に携わった方々,友人,家族の協力,支えです。この場をお借りして,それらの方々に,感謝申し上げます。