合格体験記「基本を大切にすれば,合格できる!」|土地家屋調査士試験|東京法経学院





土地家屋調査士 合格体験記

「基本を大切にすれば,合格できる!」

体験記

 体験記

K.W さん(岡山県)

◆はじめに

 私は,写真測量関係の会社に10年近く勤めていたことがあり,測量士補に合格したことから,測量士と比較して,独立できる可能性のある調査士をめざそうと思ったことが,受験のきっかけです。

◆旧法の本を自分で手直し

 1年目は,9月頃から学習を始めました。何から手を付けてよいかわからず,東京法経学院の「合格ノート」(旧版),住宅新報社の「解説表示登記法」(旧法向け)を購入し,読ん
で書き写すことから始めました。
「解説表示登記法」は,概略説明と詳細説明が項目ごとに整理されていて,本のサイズも手ごろです。過去20年程度の書式問題も掲載されていたので,表示の登記のイメージについて把握しやすかったです。ただ,新法には対応していなかったので,六法を見て自分なりに手直し
して書式練習をしました。
また,民法についての知識も必要だと思い,「法学検定4級」の問題集の民法部分を読んで,解いていくことにしました。また,本屋や図書館に通い,民法や表示登記に関係ありそうな書籍は,ランダムに読みました。
一番苦手だったのは,土地の書式でした。書式の正確さとスピードアップに対する対策には,非常に苦労しました。ほとんど独学に近い状態から始めざるを得なかったため,定規の使い方,電卓の選び方から使い方に至るまで,試行錯誤の繰り返しでした。
そのようななか,7月に模試を受けてみたところ,結果はランクD。書式はまるで歯が立たず,ほとんど白紙,択一は8問しかできませんでした。このままでは,足切り点にすら達することができません。でも,あきらめることはできず,8月の本試験まで,模試と過去問5年分を繰り返し解きました。
本試験では,問題用紙を切って計算用紙に使いました。択一と建物の書式問題を解いた段階では,残り時間は既に50分ほどしか残っていませんでした。土地の書式では,結合トラバースの補正計算のやり方を勉強していなかったため,全く歯が立ちません。しかたなく,座標,求積,図形以外の書けそうなところを書いて答案を提出しました。

◆徹底的に反省

 自宅に帰って自己採点してみると,択一は足切り点を超えているようでした。しかし,正誤の記入ミスがあったり,出題意図を反対に受け取っていたり,初歩的なミスが山のようにありました。建物の書式も概ね書けていたのですが,建物図面の主たる建物,附属建物の符号を書き漏らすなど,してはならない,つまらないミスをしていました。
土地の書式では,基準点測量についての根本が理解できていないと感じました。また,新法から出題される試験だったのに,あまり条文の確認をしなかった点が失敗だったと痛感しました。そのため,もっと基本を大切にしようと考えて,本試験の会場で考えたこと,疑問に思ったことなども含めて反省点を書き出しました。
この作業は,後々役に立ちました。自己分析をすすめて,ミスした点やできなかった点を一つずつ減らしていけば,基本的に得点はアップするはずです。
しばらくして,この年は,あと5点取れていれば合格できていたことが分かりました。

◆2年目の挑戦

 これらの反省を踏まえ,2年目はまず条文や解説書を読みながら,整理していくことにしました。自分なりに整理したノートを作成していた合格者に倣い,様式を自分の使いやすい索引にして,順次整理していきました。
さらに,「合格ノート」(東京法経学院)にあった先例を,自分の携帯電話に送って,単語カードのようにして使いました。このデータには,合格した今後も,先例や通達を追加していくつもりです。なお,登記申請書は,白紙に枠なしで書いて練習しました。
また,測量学のテキストを読み返し,補正計算の基本を理解するようにしました(本試験では出題されませんでしたが,重要な項目だと思うので,絶対理解しておくべきだと思います)。
計算方法も,各自で工夫が必要ですが,セットバック計算と交点計算に関しては,電卓(カシオ991MS)の内部機能よりも,自分で計算式を立てる方法に変えました。そして,計算用紙をきれいに書くことにし,計算ミスを減らす練習をしました。
こうして,正確さ重視で練習していくうちに書式,択一のスピードも少しずつ早くなってきました。学習法や計算法などを自分なりに改善していきましたが,ひとつひとつの改善点はたいしたことがなくとも,全部を合わせるとかなりのものとなってきたと思います。この小さな改善点の積み上げが非常に重要なことなのだと今になって,感じています。

◆最後に

 本試験の会場では,暑さ,寒さ対策として,ジャンパーとタオルを両方持参しました。タオルは,たいていの方が机の上に置いていましたが,特に注意はありませんでした。
本試験では,やはり「ミスとの戦い」,「自分との戦い」だと思います。ですから,正確に答えるために,最初は,わざとゆっくり問題文を読みました。それでも,かなり緊張しているので,実際には結構な早さで解いていると思います。でも,わざとゆっくり読むことを意識することで,緊張感も少しやわらぎ,おかげで,設問最初の民法3問はすべて正解でした。
平成18年度の建物の書式問題は,書く量が去年に比べて多かったので,建物が終わった後の試験時間は,55分しか残っていませんでした。
この時間で,土地の書式問題の求積まで解答するのは無理だと思い,座標点,図面に集中しようと思いました。最後に,時間いっぱい使って,解答できるところを見直して提出しました。
合格発表があるまで,自分が合格しているとは思っていませんでした。この試験は自分との戦いに終始した,と思っています。そして,あきらめは禁物だということです。
以上,私の体験を思い出しながら,思いつくまま書いてきましたが,勉強する環境など,各自異なると思います。ですが,自分なりに工夫して,取り組むことが最も重要なことだと思います。