平成25年度 土地家屋調査士試験の解答のポイント等及び合格ラインの予想|東京法経学院


平成24年度 土地家屋調査士試験(午後の部)

平成25年度 土地家屋調査士筆記試験の
 択一式問題の印象と記述式(書式)問題の解答のポイント

 

平成25年度 土地家屋調査士試験(午後の部)

本年度の択一式問題の印象

東京法経学院専任講師 内堀 博夫 

 本年度の択一式問題の出題科目と出題数は,民法が3問,不動産登記法が16 問,土地家屋調査士法が1問であり,この点については例年どおりである。

 まず,民法については,例年どおり判例の趣旨に照らして考える問題が出題されているが,一般的な受験テキストには載っていない判例も素材とされており,難しいと感じた受験生が多かったのではと考える。しかし,土地家屋調査士試験においては,3問中2問以上が第1編の総則と第2編の物権から出題されることは予想できたことであり,また,出題形式が組合せ形式であることから,3問中2問以上正解したいところである。例年,民法は20問中3問しか出題されていないが,主要科目として考えるべきであり,本年度も択一式問題において受験生間に差を付けるのは民法であったと考える。

 次に,不動産登記法については,難易度の高い問題をうまく配置しており,よく学習をしている受験生であっても,テンポよく短時間で解答することを難しくしている。また,個数形式の問題が本年度は多く,第4問,第13問及び第14問で出題されているが,第4問と第14問の解答に時間を要したのではないかと考える。他の問題はすべて組合せ形式の問題であるが,第6問,第11 問,第14問及び第18問の正答率が低いと考える。不動産登記法については, 16問中14問以上正解したいところである。

 最後に,土地家屋調査士法については,個数形式の問題であることが難易度を高めているが,合格者の多くは得点していると予想する。

 以上のとおり,本年度の択一式問題は,昨年度に比べ個数形式の問題が多く, 難易度が少し高いといえるが,変にひねった問題や実務的な問題は少なく,条文又は先例に忠実な表現で丁寧に作問されているので,受験テキストの他に六法(調査士受験必携六法)も利用して,条文や先例をすみずみまで読みこなすことをしていれば,全問正解も可能であったと考える。また,東京法経学院の答案練習会及び全国公開模試でAランクにおり,択一式問題の正答率が常に20 問中17問以上であれば,本年度の本試験では20問中18問以上の高得点が可能であったと考える。なお,20問中16問又は17問の得点であっても,書式問題が高得点であれば,合格ラインに乗ることは可能であると考える。


記述式(書式)問題の解答のポイント

東京法経学院専任講師 荻原 勇 

第21問
 賃借人山川一郎が資材置場として借りている土地(地目、雑種地)の一部に土地の所有権登記名義人海川二郎(賃貸人)の承諾を得て、建物を建築した場合について、山川一郎及び海川二郎から登記相談を受け、事情聴取並びに調査及び測量の結果の概要から、登記を申請すべき内容を判断して、雑種地の一部を宅地とする地目変更の登記、すなわち、土地一部地目変更による分筆登記に係る、申請書及び添付図面の作成の問題である。
 ポイントとなるのは、@申請すべき登記に関し、どうして当該登記を申請すべきと考えたのか、地目の意義と公示の関係に言及して、依頼者に説明すべき内容についての記述、
 A登記の目的、登記原因及びその日付等、B分筆点(とくにF点)の座標値、C地積測量図の作成となろう。
 @地目は、土地の主な用途による区分であって、土地の現況及び利用目的により定められる種別的名称であり、土地の質的な面より土地を特定する機能を有する。また、土地の地目は主な用途により1種類で定めなければならない。本件の場合、土地の一部が宅地として利用されているので、地目別に分筆した上、用途を変更した土地について、これを別地目とするための登記、すなわち、一部地目変更による分筆の登記を申請しなければならない。
 A申請書は、登記の目的(土地一部地目変更・分筆の登記)、登録免許税、東側(ロ)部分の(面積計算の結果による)地積の記載のほか、一部地目変更の原因及びその日付(建物の登記記録からの建物の新築年月日)を的確に把握すれば、平易なものである。
 BF点の座標値を求めるには、端的にいえば、調査素図の計算要素と(三角形に係る公式及び真数表の使い方を理解していれば、)三角関数真数表から、計算の道筋(解法)が見えてくる。
 なお、受験携行品であるコンパス及び分度器があれば、座標値が計算できなくても、図面を(多少図形がずれても、区画の形状を記載し)完成させることや、図面の点検ができるので、これらを道具として使いこなす必要がある。

第22問
 建物を解体した上で、その建材を用いて従前の建物と同一の種類、構造及び床面積の建物を再築した場合は、それはもはや登記された建物とは別個の建物といわざるを得ないのであり、その間に物理的な同一性は肯定できない(最判昭和62・7・9)、したがって、既存の建物が滅失し、あらたに建物が建築されたものとして取扱うものとするので(準則83条)、(旧建物の主である建物について)滅失の登記を申請しなければならない。また、残存する附属建物であった建物については、増改築して美容院として使用しているので、旧建物について主である建物の滅失、附属建物を主たる建物とする変更の登記(準則102条)及び建物の表題部の変更(所在、種類及び床面積)の登記を一の申請情報で申請するほか、解体移転後の建物(倉庫)についての建物の表題の登記を申請しなければならない。
ポイントとなるのは、
 @旧建物に係る申請については、建物の表題部の変更の登記申請書では、登記の目的(建物の滅失の登記としてはならない。)、添付情報(特に所有権証明書)、申請人の表示(持分の記載不要)、変更後の所在(原因の記載)、主である建物の床面積(移築後の各階平面図により明らかとなる。)、変更後の主である建物の表示(種類,構造,床面積)及び登記原因その日付
 A取壊建物に関する必要となる登記の内容、登記の共有者の一人(甲野春夫だけが関与)からの申請の可否及び根拠の記述 
 B解体移築後の建物の表題登記の申請書。特に、持分の記載及び所在(建物図面における筆界点の座標値と建物の位置の作図をしないと判明しない。)が正しく記載されていることが必要である。
 C建物図面及び各階平面図の作成
建物については、(土地に比べて)記載事項が多く、かつ図面の作成に時間を要するので、建物の記述問題で苦戦を強いられたであろう。

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