司法書士とは?|東京法経学院





市民の権利と財産を守る法律資格

司法書士試験 ガイダンス

司法書士とは?試験概要司法書士制度の概要司法書士が市民のために果たす役割司法書士の業務内容詳細

司法書士とは?

司法書士の役割は、市民の権利と財産を守ることにあります。といってもそれは抽象的に過ぎる表現ですから、もう少し分かりやすく説明される必要があるでしょう。司法書士とは、「登記」という法律行為を通して、建物や土地の持ち主を役所に登録し、明確にすることで、あなたや私の権利や財産を守る者であるといったらイメージしやすいでしょうか。つまり、あなたや私の土地や家の持ち主が、確かにあなたや私であることを法的に証明してくれる頼れる存在なのです。また、資本主義社会の重要な構成員の1人である「会社」や「法人」の誕生にも、司法書士は「法人登記」という形で深く関わっています。司法書士が登記手続きをしない限り、会社は会社として、法人は法人として法的に認められないのです。


試験概要(2017年3月6日現在)

●平成28年度 司法書士 試験概要


司法書士制度の概要

司法書士制度は,古くは明治5年(1872年)の司法職務定制(現在の「裁判所構成法」にあたる)によって「証書人,代書人,代言人職制」という在野において司法を支える3つの基本的な専門職能制度が定められたときに遡り,130年余りの歴史があります。証書人は現在の公証人へ,代言人は現在の弁護士へと変わり,代書人は「司法代書人」を経て,昭和10年(1935年)に司法書士法が制定されて現在の司法書士という名称となりました。その後数度の改正を重ね,司法書士会の強制設立・全員加入制度,司法書士会の法人格の取得等の整備がされて,昭和53年(1978年)の改正により,その後も,会員への注意勧告権の制定や資格登録事務の日本司法書士会連合会への移譲が行われました。


司法書士が市民のために果たす役割

 改正司法書士法は第3条において,以下の業務を司法書士の専業としています。とりわけ、1・2・3・4の業務は司法書士にだけ認められた独占業務です。

 簡裁訴訟代理関係業務については、いくつかの制限はありますが、司法書士という私達に身近な法律専門家に、簡裁とはいえ訴訟の代理権を付与することは、近来叫ばれて久しい「国民に身近な司法」を実現する上で、司法書士に対する期待が大きいものであることを示しているといっていいのではないでしょうか。


司法書士の業務内容詳細

  1. 登記業務  登記業務は,不動産登記に関する業務と,法人登記に関する業務に大きく分けることができます。  不動産登記制度は,不動産に関する物理的現況を公示する表示登記と所有権者やその他の権利関係を公示する権利登記とがありますが,司法書士は,権利登記を担う専門家として,不動産取引の安全に寄与しています。司法書士は登記手続を行うにあたって,当事者・物件および実体関係の調査,確認など人・物・意思の確認を行い,多数当事者間のいくつかの契約の最終的な同時履行を保障する役割を果たしています。そのうえで最後に申請書類などを作成し,いくつかの登記を連件一括申請するということを通じて,不動産取引の安全と登記の真正の担保を法律専門家として貢献し,不動産取引のための調整機能を担うのです。 次に,法人登記については,司法書士は会社や法人の代表者から委任を受け,代理人として,商業・法人に関する登記手続を行います。わが国には,株式会社・有限会社など会社だけでも300万社ほどあり,その他の公益法人等も多数あります。これらの法人は設立登記によって成立し,それぞれ商法・有限会社法などの法律にしたがって管理・運営されます。こうした会社・法人の登記事項は,法人の管理運営の全般にわたるため,司法書士は,顧問弁護士や法務専門部署がない中小会社・法人の法務にアドバイザー的な立場で関わることも求められるようになってきました。

  2. 裁判業務  司法書士は「裁判所に提出する書類の作成」を業務として,依頼者からの相談,事情聴取を通じてその主張を法的に構成し,助言・指導などを通して,いく通りかの選択肢の中から効果的な訴訟手段を選択し,書類の作成や裁判を維持し『本人訴訟』を実質的に支えてきています。最近では高学歴化や権利意識の向上等により自分で訴訟を行う人が増えてきました。 司法書士は,本人訴訟を,専門職として支援・援助する立場から,訴えの提起,訴訟維持・進行まで,法律知識と経験を活かして側面から支えるのも司法書士の業務です。訴訟関係書類の作成のみならず,依頼者に対する助言・指導という法律相談の面でも大きな役割を担っています。 平成15年の司法書士法改正に伴う簡裁訴訟代理業務の獲得と平成16年4月1日からの裁判所法改正の施行により,紛争の額がこれまでの90万円以内から140万円以内とされ上限が拡大されました。これにより,司法書士の簡易裁判所における通常訴訟,支払督促,民事調停,民事保全,起訴前和解などの訴訟代理に関する役割がさらに拡大し,市民の民事紛争の解決に大きな寄与ができるようになりました。

  3. 供託業務  供託の業務は,司法書士業務の中ではごく一部を構成するものですが,地代や家賃の値上げなど,賃貸人と賃借人との折り合いがつかず家賃等を支払いたくても相手が受け取らない場合や,貸主が行方不明で弁済するにもできない場合などに,返そうとする金銭などを供託することにより,返済したのと同じことになる弁済供託制度が典型的です。 供託とは,法律の規定により,金銭や有価証券・不動産等の財産を供託所に預け,それを相手に受領させることにより法律上の効果を生じさせようとするもので,その他にも,営業保証供託,裁判上の保証供託や没収供託,執行供託,保管供託などの業務があります。

  4. 成年後見の業務  司法書士は相続や遺言,財産承継などの日常の業務の中で高齢者や障害者の財産に深いかかわりを持ってきたことから,日本における新しい成年後見制度創設の必要性を実感していました。そこで,平成12年の法改正と任意後見制度に関する新法の導入に合わせて,平成11年12月に社団法人成年後見センター・リーガルサポートを設立しました。全国50の単位司法書士会ごとに支部を設置し,社員たる司法書士の単位会研修を行い,それを修了した者の中から家庭裁判所に後見人候補者名簿の届出を行い,現在では,かなり多くの司法書士が後見人に選任されており,また弁護士が後見人になったケースで,リーガルサポートが法人後見監督人として選任された事案も出ています。組織的な取り組みをしている司法書士への信頼が定着しつつあるところで,今後ますます社会から期待され,司法書士の重要な業務分野になると考えられます。