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行政書士試験 受験ガイダンス 行政書士資格の展望

試験概要 行政書士とは? 行政書士制度の概要 行政書士が市民のために果たす役割 行政書士資格の展望

行政書士資格の展望

  行政書士の新しい業務展開のひとつとして、ADRが注目されています。このADRの基本的な定義は、直訳すれば「裁判外紛争解決手段」と訳されます。現在、行政書士界でも最も力が注がれている分野です。具体的にどのようなことをするのかというと、裁判になる前に当事者の話し合いによって事件を解決しようというものです。裁判となると、当事者にかかる時間も費用も大きくなものになるので、裁判になる前に未然に廉価で迅速に事件を解決するということがその主な趣旨です。このADRを業務として獲得すべく、行政手続を扱う士業として、民間型の行政手続ADRの法制化を国にお願いしていますし、行政書士の資質の向上の一環として、連合会をはじめ各単位会や支部において、さまざまな研修を行っています。例えば、我々がADRを業務とするためには、法廷での調停能力などがきちんと修得されていなければなりません。特に「行政手続」の分野においては、行政書士として生き残っていくためにも自己研鑽が必要になってきます。

  その他の業務拡充の動きとして、現在検討中ですが、行政書士の代表的な業務のひとつである本人出頭原則である「入国管理の手続代理」について大きな変化が生じようとしています。この業務は、行政書士であっても法務大臣の承認を受けた者のみができる業務(現在約4,000人程度)でしたが、この度の規制改革路線に伴い、弁護士も業務範囲にしたいと提言してきたのが発端です。これを受けて行政書士界では、それを弁護士業務と認めるのであれば、行政書士であれば誰でも入国管理の手続代理をすることができるよう要請しています。つまり、今までの法務大臣の承認の撤廃を求めているのです。これが認められれば各行政書士の業務の幅も更なる拡がりをみせるでしょう。

 最後に、行政書士はもちろん、21世紀の資格業者の基本姿勢として考えられなければならないのが、国民の法的利益が最優先の、利用する側(国民の側)に立った法律サービスです。例えば外国人が日本で会社を新たに設立することを想定した場合、株式会社の設立書類は行政書士にお願いし、その登記は司法書士に、さらに当然に雇用が発生するので、社会保険労務士に就業規則や各種保険関係の書類の申請をお願いしなくてはなりません。これでは、依頼者はあちらこちらの事務所を渡り歩かなければならず、「ひとつの事務所に頼めば全部済む」という"ワンストップサービス"が機能しません。このあたりの整備拡充が各士業とも急務になるでしょう。

 世の中は常に流動的に変化し、法律等も新しく制定、あるいは改正されます。このような機会こそ、自己能力を高め、新しい仕事を開拓するチャンスなのです。行政書士には未開拓分野が多く残されていますし、また新たな分野の出現の可能性も高いため、新規参入者にも大きな魅力があります。プロの法律家としての自覚を持ち、常に社会のニーズに応えられるように精進することで国民に貢献する、これが行政書士に求められる姿でしょう。みなさんにも、このような気持ちを抱きながら、市民に喜ばれる、真の意味での"街の法律家"として活躍されることを期待します。

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