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司法書士が行う「供託業務」とはどんなもの? 3つの供託を事例で解説


司法書士が行う「供託業務」とはどんなもの? 3つの供託を事例で解説

 

法律の勉強をしていて頻繁に目にする「供託業務」という言葉。
司法書士が扱う「供託」には、その用途や目的によっていくつかの種類が存在します。
今回は「供託業務」の種類を、具体例を交えながらご説明します。

司法書士が取り扱う「供託業務」とは?

司法書士が取り扱う「供託業務」とは、金銭や有価証券などを国家機関である供託所(=法務局)に預け、支払うべき相手に分配する法務処理です。
事業家の要請や裁判所の勧告によって広く活用されており、それらの目的によって「弁済供託」「担保保証供託」「執行供託」「保管供託」「没取供託」の5つの種類が存在します。

司法書士はこの供託の手続きを代行するほか、供託物の還付や取戻しの手続きも行います。
それでは5つの供託業務の中でも広く利用される3種類を、具体例に沿って見ていきましょう。

司法書士の供託業務:家賃支払いに見る「弁済供託」

一般市民の間で一番身近な「弁済供託」は、「支払わなくてはいけないお金が受理されない」という状況で利用されます。
ここでは家賃支払いを例に見ていきましょう。

Aさんは賃貸物件に住んでおり、大家のBさんに毎月家賃を支払っていました。
ある日、大家のBさんから「来月から賃料を値上げします。新しい金額での支払いでなければ受け取りません。」という旨の通知が出されます。
いきなりの値上げにAさんは納得できませんが、かといって家賃を滞納する訳にもいきません。こんな時には弁済供託が活用されます。

Aさんは司法書士に弁済供託を依頼し、値上げ以前の家賃を供託所に収め、滞納の意思がないことを示します。

これで安心して家賃交渉に望めますし、家賃滞納で法的措置を受けることはありません。
さらにBさんが突然亡くなってしまい、家賃の受け取り手がいない場合でも弁済供託が有効です。

司法書士の供託業務:営業保証金に見る「担保供託(担保保証委託)」

ある一定の事業を行う上で、保証金として義務付けられているのが「担保供託(担保保証委託)」の利用。
宅地建物取引や旅行業、家畜商、割賦販売業などの業務を始めるには、営業保証金を供託する必要があります。

たとえば不動産事業を開く際、「営業保証金1000万円」の担保供託が義務付けられており、不動産開業の関門となっています。
この供託金は、不動産取引で事業に失敗した場合、消費者のケア(損害賠償)に利用されるのです。
また、相続税・贈与税を猶予する代わりに一定金額を最初に納める「税法上の担保供託」としても利用されます。

司法書士の供託業務:従業員の給料差し押さえに見る「執行供託」


司法書士の供託業務:従業員の給料差し押さえに見る「執行供託」

雇用主に求められる供託の中には、「従業員の給料差し押え」というものがあります。
たとえば従業員の中に離婚した子供への養育費の支払いを拒んだ人がいる場合、裁判所から給料差し押さえ通知が届けられ、その養育費分の給料差し押さえを求められます。
この場合、雇用主は第三債権者としてその従業員の給料の一部を差し押さえ、支払いを求めている人に対して必要な金額を支払う必要があるのです。
この執行供託では、差し押さえ金の支払いを請求者に直接行うのではなく、供託所を通して支払う形を取ります。

社会における「供託業務」の活用範囲は広く、司法書士の仕事としても重要なものとなります。
司法書士を目指す方は、委託業務の内容とその用法を頭に入れておきましょう。